北陸本線ピンポン生活
ここんとこ出張づいちゃって。大阪が本社の会社に在籍して富山の営業所に転勤していれば、月に一度くらいは往還するのは普通みたいやけど。この数週間と言うものは月に一度どころか毎週のように北陸路を往復してる。サンダーバードは旅行するにはいい列車なんでしょうが、仕事の出張に使うのは厳しいものがあるんだけど。 何と言っても在来線特急は植民地サイズの狭軌(線路幅1067㎜)でそのうえけっこうな速度で飛ばすから、揺れるのなんのって。平均時速は130キロだもんね。とてもパソコンを持ち込んで仕事をするのは無理。山岳地帯を縫うように走るんで、通信事情も悪い。wifiなんて考えられない。3Gもつながらない区間が多い。これじゃビジネスユースはあきまへんなあ。 しかたがないから社内ではもっぱら読書と居眠りで過ごすことになる。先週末(6月24日からの2泊3日)出張ではこんな本を持ち込んだ。 出張に出かけるときは重い本と軽い本をそれぞれ持ち歩く。小難しい本を読みたくなるタイミングというヤツがあって、そんなときにかような本をひもといたりする。今回は「重い本」として重量は軽い岩波の赤帯を持っていた。 フランス革命を、3部会時代・ジャコバン独裁時代・ナポレオン第1・第2帝政時代の、4つの時代にわたって権力闘争を生き抜いてきた男、ジョセフ・フーシェの伝記である。ナポレオンに対してかなり意地悪く、悪態まじりの筆致が楽しい。作者はシュテファン・ツヴァイク。ユダヤ系インテリの彼は、ナチス/ヒットラーから逃れながら、同じ独裁者のナポレオンを操った男に思いを馳せたのかもしれない。 軽い本が重い本。こっちは小説新潮に連載されていた北村薫の酒飲み小説「飲めば都」。新聞の書評で発刊されたことを知るや即刻アマゾンに発注していたもの。大酒飲みで酒癖もほめられたものじゃない女編集者・小酒井都が、仕事に磨かれながら酒品も人格も成長していくお話。ハードカバーでそこそこページ数もあったのに、あっちゅう間に読んでしまった。北村薫はミステリーもいいけどこんなオトナの童話もうまいですねえ。 ところで帰路にJRがやってくれました。摂津富田駅で人身事故。おかげで乗るつもりだった12時42分大阪発のサンダーバードは臨時運休になっちまうし。結局何とか乗った和倉温泉・金沢行のサンダーバードも40分遅れで発車して、しょっ