秋冷の候、カニ鮨・坦坦麺・きざみソバ・長焼きのウナギ・京の薄揚げ・沢庵新漬け・加茂茄子田楽・終列車
半期に一度の営業会議で大阪へ出張。9月21日の朝8時16分富山発のサンダーバードで。前夜に同僚と極めて深い時間まで飲んでいたので、早起きが堪えるの何のって。
朝飯代わりはカニ鮨とマス鮨に太巻きのセット。前夜の活動でハラが減っていたので、高岡までの10分ほどで食い尽くしてしまった。
金沢過ぎたあたりで爆睡に突入。ゲリラ豪雨に遭遇したのか、列車の速度が落ちて臨時停車したような気がしながらも睡魔に勝てず。このまま昼過ぎまで停車になれば会議には出ずに宴会とゴルフだけですむなあと薄れる意識の中で期待しつつ。
覚醒してみると外が明るいのなんのって。どうやら豪雨は願望夢であったらしく、列車は定時に走行している。ああ邯鄲夢の枕。香一炷尽きぬまに見む異床の夢。「荘子」なんか思い出したり南下して。
何とか午前中にオーサカについて、大先輩と昼食に。長丁場の会議に耐えるため、頭脳の覚醒を促す漢方食を薬膳の店で頂く。各種頭脳刺激スパイスが充満した坦々麺なのである。まあそこそこに辛いけど、それよりもっとお薬な味わい。
会議も宴会もそのあとのウフフもソツなくこなして、翌22日(土)は三田ゴルフクラブで社内コンペ。これが大変なことになった。前の前に入っているコンペが超ビギナーばかりでぜんぜん進まない。どこのホールに行っても3組待ちで、ハーフ3時間。忍耐の限界を突破した。
ハーフプレーに2時間15分以上かかる人間は、コースに出てはならない。いくらかわいこちゃんがミニスカートにナマ脚であっても。
ゴルフ場側もそんな客は断るべきだし、後ろの組にどんどんパスさせるべきである。
おかげで実家での晩餐に遅れるところだったのだ。
と言いつつ翌日も三田ゴルフクラブで、大阪時代のゴルフ仲間と楽しくプレー。この日は大きな混雑もなく、まあ順調にラウンドできた。9月下旬から11月中旬までは本当にゴルフが楽しい。
ゴルフの後は大阪市内の焼き鳥屋で一献傾けた。この写真は福島界隈のビルから撮った大阪の夕景。夕日がいかにも秋ではないか。
まあしこたま喰ってしこたま飲んで、喉が嗄れるほどに熱唱したわけざんす。
月曜日もまだ大阪で仕事だったので、梅田のホテルエルセラーンに投宿した。化粧品メーカーが経営しているだけあって、室内の調度もオシャレである。石鹸シャンプーはもとよりデンタルペーストにいたるまでハーブ入りの高級品で、女性が喜びそう。おまけに全館完全禁煙だし。
二日酔いの朝には熱い麺類がうれしい。大阪駅前第一ビルの地下、立ち食いの「つるつる庵」できざみソバ320円なり。ポロシャツ姿で汗をかきながらソバをすすっていると、まだ朝の8時だと言うのにスーツ姿の勤め人が背後を通り過ぎていく。なんだか世間に落伍した気分。けどよ、俺もこのあとシャワーを浴びたら、同じようにスーツ姿になるんだけどな。
大阪城公園前のホテルニューオータニで仕事を済ませたら、ちょうど時分どき。環状線で天満へ。行きつけの名店「魚伊」にて鰻重の「竹」。カリリとした関西風の長焼きは、いつ食べてもたまらん味わい。ふわふわトロリの江戸風もいいけどね。贅六の私はやっぱりこっちが好き。しかし3年前に1400円だった「竹」がいまや2300円。そうオイソレと手の出るものでなくなったのが残念。
天神橋筋商店街「エコー100均」で保冷バッグを購入し、いくつかの所用を済ませた後に大阪駅より新快速で京都へ。伊勢丹の地下で「仁助」の薄揚げを5枚入り×5袋、「京五条大橋横の漬物屋」なる変わった屋号の「きざみ沢庵新漬け」を2パック。それと炒りゴマを一袋。これらを冷たいままで富山まで運ぶために、保冷バッグまで購っているのだ。
薄揚げと漬物の味では、日本全国どこであれ京都に勝つことはできない。けして高いものでなく、普通の食い物の味で他郷を圧倒するのが「みやこ」の実力なのである。
しかし我ながら周到なる用兵の見事さと言うか、はたまた凄まじいまでの食い意地と言うか。
18歳から26歳まで、足掛け9年住んだ京都は、第二のふるさとなんである。
ハイボールやら水割りやら、ポテチをかじりつつ北陸路へ。最終列車が富山に着くのは24時14分で、桜木町につくころには行きつけの店は閉店準備に入ってしまう。大阪よりも京都よりも秋気が冷涼な街をとぼとぼ歩いて帰宅した。
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