雪の夜は江國香織を読んで。柿の葉ずしと九条葱と、革新的な牛肉時雨煮と。
首都圏に大雪が降った日、富山はまあ30センチくらいの積雪で、普通に雪のある風景となった。ただ今年は暖冬でもないのに異様に雪が少なくて、この冬初めての「手ごたえのある雪」って感じ。まあ積雪60センチくらいまでは、市内交通も経済活動もたいした影響を受けませんが。
私の場合はクルマを持たないので、雪が積もると買い物とかクリーニングの出し入れにいささか難儀を伴う。だからどうしても冬場は数日分の食料を買いためることになりがちです。
週末にかけて大阪へ出張していたので、大好物の「柿の葉ずし」を持ち帰った。こいつは常温で二日ばかりもつからとても便利でもある。保冷バッグで持ち帰った「九条葱」をたっぷり刻みこんだあったかいにゅうめんで禁酒禁煙の夕食。
世間はオリンピックだ東京都知事選だと騒がしかったのに、我関せずでラグビーのシックスネイションズなんか観戦している。しかしラックからの球出しとかめちゃ早いよね。ワールドカップラグビーを日本で開催するのはええけど、大人と子供の勝負になりそうな気がしてならん。
大和百貨店の精肉店で買ってきてあった「牛肉切り落とし」を時雨煮にした。お湯に日本酒を割って、ぐらぐらさせたところへ牛肉を通して、さっと冷水で洗ってから、ちょっと煮詰めた酒醤油みりん砂糖と生姜に落とす。照りがつくまで水分を飛ばしたらあらら仕込から半時間で、今まで作ったことがないような傑作の時雨煮が完成した。NHK「男の料理」も端倪せざるべからずなり。
酒も飲まずに一心不乱に読書の日でもあった。江國香織による明治~大正~昭和~平成にまたがるスケール感あふれる家族小説。といって「楡家の人々」のごとき紀伝体でもなく、列伝体でもなく。エピソードをゴブラン織りのように織り交ぜながら積み上げていく。夫の子供は妻の子でなく妻の子供は夫の子でない。不思議にしてでも統一感のある謎の一族の物語。
チンゲン菜と白菜と豚バラ肉も在庫していたので、チンゲン菜は豚肉とカキ油炒めに。白菜はうす揚げと蒸し煮とした。豚バラを炒めるときはいったん湯通しをして、酒醤油で下味をつけておくと「プロみたい」な仕上がりになるのでぜひお試しを。
へっちゃらだと云いながらも、やはり雪は面倒くさい。山陽道瀬戸内温暖気候には憧れてしまう。ゴルフだって一年中できるし。重松清の小説はやはり舞台が広島であることが多く、読んでいて冬場の陽光に憧れてしまう。
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