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国産うな丼980円は東京の良心か。金沢で桃源郷のネギラーメン。財布が重くなるゴルフ。広島じゃけん過激じゃけん。日本列島右往左往の3連休。

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桃源郷という言葉があり、いつか行ってみたいもんだと思う。手近なところでは金沢市片町のややこしい路地裏に「桃郷酒家」なる店があって、しっかりとアルコールを召した後に名物のネギラーメンなどすすっていると、これは羽化登仙の境地をちょっぴりかじった按配となる。 羽化登仙の気分を持ったままで石川県は「能登カントリー」へ。金沢の有志諸君とラウンドを愉しんだ。彼らとゴルフをするとどいういうわけか、プレイ前より財布が重くなって戻ることになる。いったいに何の魔術やら。 仕事で東京神田へ。北陸新幹線が開通してから完全に日帰り圏内となり、行動にゆとりがなくなってしまった。昼飯に使える時間もおおむね20分くらい。 安くて早くて味もそれなりの店を見つけるのが上手い、のは私の数少ない特技の一つであって、神田のお取引先近くで見つけた「うな正」は、国産ウナギのこんなに大きな蒲焼がのったうな丼がいまどき980円なのである。江戸の良心みつけたり。 お江戸から大阪経由で岡山へ。仕事をしに来たんだか酒飲みに来たんだか。しかし岡山にもいいお店があって感激した。今度はぜひお忍びで来てみたいもんだ。 長旅なので大きなキャリーバッグが必須である。岡山~広島間くらいで(すいているのに)棚へと持ち上げるのが大層だから、括り付けたショルダーバッグの肩紐を全席に結び付けてバッグを固定した。我ながら自らの利口さにおどろくばかり。 時分どきに広島へ着いたら、そらもう名物の「汁なし担担麺」をいっとかないと、世間様に顔向けできないってもの。ド定番の「キング軒」へ。 唐辛子と山椒と辣油でヒリヒリである。こいつを30回以上かきまわして味を均質にして食べるのである。最後にはご飯を投入して激辛ビビンパみたいにして仕上げるのである。食後は山椒の効き目でしばらく言語活動に支障が発生するのである。広島は何だって過激じゃけん。 極上のタン料理が出る「だんだん」で夕食後、バーを何軒はしごしたのやら。気が付いたら腕時計が無くなっていた。よくあることなので「またやっちまった」ていどの感情しか湧かない。だから1万円以上する時計はしないことにしている。 ところで午前3時過ぎに「へんこつや」で広島焼きを食べていたらしい。やはり本場の広島焼きはこれまた過激にウマイので困る

新じゃが丸ごと肉じゃが。出会いと別れの弥生三月。ショートホールの悪夢。祝えない誕生日とは。

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めでたさも中くらいかなおらが春、正月じゃないけれど越中富山にもようやく春めいた日射しがさすようになってきて、弥生3月。かれこれ越中暮らしも6年半となった。 3月と言えば年度末で、「出会いと別れの季節」何て言われます。私の勤務先はグローバル化とやらで12月が年度末になってしまい、世間の季節感と微妙なギャップがあるけれど「春物」「新もの」などといわれるとなぜかうれしい。 というわけで三月某日の献立は「新じゃがの肉じゃが」です。毎年この時期にしか作らない季節限定メニューなり。 新じゃがの皮をうすくツルツルと剥いて、にんじん・玉ねぎと炒めます。出し汁・砂糖・味醂を加えて、落し蓋のように牛肉を広げて、さらに落し蓋をして20分。酒と醤油を加えてさらに20~30分。煮上がったら15分くらいは放置しておくこと。その間に味がしみ込むので。 肉じゃがでカーボローディングをした翌朝は、今年の県内初ラウンドを名門「呉羽CC」にて。ショートホール以外はおおむねボギーペースで回れたのだけど。 このゴルフ場は「前進4打」などという救済措置のない、まことアスリートなところなので、ショートホールは全部打ち直しなのね。池越えでOBを3発。谷越えでOBを4発。ショートホール恐怖症になってしまい、今シーズンの帰趨が危ぶまれる結果となりました。 前日の忌まわしい記憶を消去すべく、そのひどいラウンドの翌日、昼メシは大好きな「むてっぽう」jへ。「ピリ辛醤油ラーメン」に、キムチをどっさり。粗挽き胡椒と赤唐辛子をこれでもかとぶっこんで、ヒイハア言いつつハードディスクから記憶を消しにかかったわけで。 しかし脂と糖質とスパイスは、三位一体で私の活力源であると改めて認識してしまった。 県内を西へ東へ営業回りに。効率よく回っていくとメシの時間もギリギリとなる。「祭りばやし」なる回転寿司に飛び込んで、850円のランチセットを。 これですっかり満足できるから、やはり富山はいいところだねえ、とクルマの中で申し上げた。備前の国からお越しの方もご満悦だった模様かな。 そうこうするうちに今年もやってきました3月11日。日本人すべからく黙祷し、犠牲者を悼み、復興へと心を一つにするべき日である。 しかし間が悪くてこんな日が誕生日、なんて人間もいるのね。かくいう私みたいに。

駅弁感動記。牛肉とぶりかまと。そして九州男児の身勝手無神経とは。白石一文「草にすわる」を読んで。神田「武蔵」にみる若者の獣性。富山の回転寿司はエライ。

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3月は走り月ともウサギ月ともいう。学年末に会計年度末、さらに入試・卒業やらで、出会いと別れが交錯する。そういえば萩尾望都の傑作に「3月ウサギが集団で」ってのがあったなあ。今風でいうところのBLがほんのりきざしているような。「こんにゃろ、俺という隋一無二の親友がいるってのに女なんぞにトチ狂いやがって」なんて。 14年ぶりの異常気象とやらで雪がほとんどまったく積もらない今年の越中富山も、雪のない間の抜けた風景ながら、きちんと3月はやってきて、きちんきちんと忙しい。こまったもんで落ち着いて本も読めやしない。こういうときに短編集は便利だよね。 とある人のお勧めで読んでいる白石一文の「草にすわる」は、人生の意義だの目的だの欲望だの見栄だの、そんなことを事故とか病気をきっかけにして、捨象してしまう男たちの物語だ。「生きている」ただそのことが、尊くもあり輝いてもいる。そうなんだけど、男どもがあまりに女性の好意だとか無辺大の愛情とかに、明るくのうのうと、ずかっと居座っていて、なんだかなあ。 こういう無神経なまでの依存性と身勝手さは、個人的経験からいうと、なぜか日本の九州地方出身男性になぜか色濃く分泌されがちなんだけど、よく見てみれば作者はぴたりと福岡県ご出身だった。なるほどね。 というわけで忙しい。でもそんなことをおかまいなしに冬場の特急サンダーバードは些細な強風で先日の大阪出張の帰路もご運休だったりする。いつまで運休が続くかわかんないから、新幹線でとりあえず米原へ。風の影響を受けにくい北陸本線経由で富山に戻ることにした。夫子は臨機応変をいつも懐に懐いてなければならない。 米原駅で気になった弁当。「近江牛としょいめし」。1300円もしたのだけど、気分が牛肉だったからいいのだ。 ステーキ丼と牛丼の合わせ技で、肉が単にやわらかいだけでなく、きちんと香ばしく牛肉らしい味がしているのに素直に感動した。近江路を旅するものはこの弁当を忘れてはならない。 富山に戻って営業中の昼メシである。なにぶん多忙なので落ち着いて食べてはいられない。移動中の街道筋で、すいてそうな回転ずし屋へとびこんで、いちばん早そうな「並盛りセット」を頼んだ。 甘エビのアタマ入り味噌汁がついて、これで850円はいかにもコスパ抜群という気がする。おそるべ