駅弁感動記。牛肉とぶりかまと。そして九州男児の身勝手無神経とは。白石一文「草にすわる」を読んで。神田「武蔵」にみる若者の獣性。富山の回転寿司はエライ。
3月は走り月ともウサギ月ともいう。学年末に会計年度末、さらに入試・卒業やらで、出会いと別れが交錯する。そういえば萩尾望都の傑作に「3月ウサギが集団で」ってのがあったなあ。今風でいうところのBLがほんのりきざしているような。「こんにゃろ、俺という隋一無二の親友がいるってのに女なんぞにトチ狂いやがって」なんて。
14年ぶりの異常気象とやらで雪がほとんどまったく積もらない今年の越中富山も、雪のない間の抜けた風景ながら、きちんと3月はやってきて、きちんきちんと忙しい。こまったもんで落ち着いて本も読めやしない。こういうときに短編集は便利だよね。
とある人のお勧めで読んでいる白石一文の「草にすわる」は、人生の意義だの目的だの欲望だの見栄だの、そんなことを事故とか病気をきっかけにして、捨象してしまう男たちの物語だ。「生きている」ただそのことが、尊くもあり輝いてもいる。そうなんだけど、男どもがあまりに女性の好意だとか無辺大の愛情とかに、明るくのうのうと、ずかっと居座っていて、なんだかなあ。
こういう無神経なまでの依存性と身勝手さは、個人的経験からいうと、なぜか日本の九州地方出身男性になぜか色濃く分泌されがちなんだけど、よく見てみれば作者はぴたりと福岡県ご出身だった。なるほどね。
というわけで忙しい。でもそんなことをおかまいなしに冬場の特急サンダーバードは些細な強風で先日の大阪出張の帰路もご運休だったりする。いつまで運休が続くかわかんないから、新幹線でとりあえず米原へ。風の影響を受けにくい北陸本線経由で富山に戻ることにした。夫子は臨機応変をいつも懐に懐いてなければならない。
米原駅で気になった弁当。「近江牛としょいめし」。1300円もしたのだけど、気分が牛肉だったからいいのだ。
ステーキ丼と牛丼の合わせ技で、肉が単にやわらかいだけでなく、きちんと香ばしく牛肉らしい味がしているのに素直に感動した。近江路を旅するものはこの弁当を忘れてはならない。
富山に戻って営業中の昼メシである。なにぶん多忙なので落ち着いて食べてはいられない。移動中の街道筋で、すいてそうな回転ずし屋へとびこんで、いちばん早そうな「並盛りセット」を頼んだ。
甘エビのアタマ入り味噌汁がついて、これで850円はいかにもコスパ抜群という気がする。おそるべし富山県。
で、一日おいてまた大阪へご出張。3月は出会いと別れの月だから、色々あるのさ。この日のサンダーバードは新型で、これは揺れが少ないからありがたい。
富山駅で買いこんでもちこんだ「源」の「ぶりかまめし・吹雪」。1200円なり。こんだけ移動が続くんだもの、弁当ぐらい贅沢しないと身が持ちまへん。
一昼夜煮込んで、骨までやわらかくなったブリのかまがずどんと乗っかって、ベニズワイガニのほぐし身が吹雪のごとくあしらわれている。蕪の酢漬けが敷き詰められていて、ブリの脂を中和する、なかなかの傑作である。
大阪で仕事して、泊まって、その翌朝には東京へ。「のぞみ」はやっぱり快適ですごい。時速300キロを超すスピードで、レールの上を鉄の車輪でカッ飛んでいって、それも7分おきくらいに発車していて、事故ひとつ起こさないのだからね。奇跡に近いことが日常的に繰り返されていることが、なによりも凄すぎる。
東京は神田で、ウナギが食べたかったのだけれども、メシに使える時間が20分ほどしかなくて、やむなく取引先ご近所にあった「麺屋武蔵」へ。魚介の極みみたいな付け汁が私の好み。
この店は麺の量が指定できて、「普通」の200グラムから「超大盛」の1㎏まで。カウンターにずらりと並ぶお客様に1㎏と取っ組んでいる猛者はいなかったけど、500グラムをさらりと完食するツワモノは結構いて、今時の若者は女子の前では草食をよそおいつつ、しかるべきところでは獅子吼をわすれていないんだな、と一安心。
コメント
コメントを投稿