「おらおらでひとりいぐも」はメタ言語によるメタ人格小説か? 冬のゴルフに通うわけ 「豚肉の生姜焼かず」 禁酒の夜は角田光代で
74歳、東京近郊の住宅地で一人老後を過ごす桃子さんは、15年前に夫に先立たれ今は言いようのない孤独の中にいる。旦那が死んでからの年数が大きく違うものの、私の母親と同じような境遇である。母も毎日がさみしくて仕方ないらしい。
桃子さんは、寂しさの中で「東北弁でしゃべるメタ人格」が内在することにきがつき、メタ人格との語り合いの中で人生を回帰する。井上ひさしの「吉里吉里人」じゃないけど、東北弁というのはどこか思弁的で、モノローグが哲学になる。私は生来の関西人なので、メタ人格ができたとしても関西弁で、これじゃ一人ボケ突っ込みで、哲学はもちろん小説にもならない。
まあわたしが四の五の言うよりも、少しでも「老い」を感じる向きには、ぜひご一読をおすすめする。
作者の若竹千佐子さんは、これが63歳にしての小説デビューで、文藝賞で芥川賞なのだけど、野に遺賢あり、を地で行くようで、愉快なことこの上ない。
2月は寒いから来客数も減るので、ゴルフ代が安い。氷雨が降って居たり積雪していればさすがにキャンセルしてしまうけど、日差しがあって最高気温が5℃以上あれば行きますね。最近の防寒具は薄くてもあったかくて。でもまあ地面が硬くてアプローチが効きにくかったり、バンカーに入るとひと騒動だったりはいたします。それでも懲りずに行くんだから、下手の横好きも極まれり、ですね。
三田ゴルフクラブの「皿うどん」は10年くらい昔のほうが、味がジャンキーで私はすきだったかな。具のバリエーションが豊富すぎて、かえって味を殺しあっているような気がしますね。まあ人それぞれなんでしょうが。
富山から大阪の下町・天満に戻ってきてそろそろ2年。朝飯はあいかわらず自炊しておりますが、晩飯はほとんどが移植になってしまった。家の周りじゅうが飲食店だらけなんだもの。この日は、ここんとこの飲みすぎで酒を断ちたかったのでめずらしく包丁をとった。
しゃぶしゃぶ用の豚肩ロースを、出汁・酒・醤油・みりん・おろし生姜・おろしニンニクを混ぜ合わせた「たれ」で軽く煮付けてやります。生姜焼きだとキッチンに油が飛び跳ねてあとが面倒だし。意外とさっぱりおいしいのですよ。「豚の生姜焼かず」手抜き大好きな向きにはぜひお試しをおすすめします。
酒も飲まない夜は時間があるから読書が進む。角田光代は骨太な構成が好きで、書店で見かけるとついつい買ってしまう。これはエッセイやら対談がはいっていて、個人としての角田光代が見えてきて面白い。マラソンやボクシングに没頭するなど、相当にストイックな人なんですね。映画「八日目の蝉」をめぐって監督との対談も、傑作小説がどうやって見事な映画に昇華されていくのかが説き起こされていて、ちょっと興奮した。
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