漁師町と蜃気楼、猫とチャーシューメン。
11月はもう晩秋と言ってもいいのだろうか。昼間の最高気温が10度ほどにしか上がらないなか、魚津方面まで営業に。高波注意報が出されるほどの波じゃないけど、波頭にウサギが飛んでいる。風速で5メートルくらいか。おかげで体感気温は相当に低い。
寒いし、腹は減ってきているし。かねて魚津漁港の近くに昭和がそのまま凍結したような大衆食堂があると聞いていたので、道に迷いながら行ってみた。
店内の様子。確かに昭和が張り付いたまま静止している。珍しくスーツ姿の客がいるけれど、普段は地元の漁師がほとんどで、ジャージか作業服だから、こんな格好でいると奇異の眼で見られるらしい。
いまどき「大衆食堂」と悪びれずに看板を上げているのがすばらしい。バブルの果ての一億総中流意識が、結果的に格差社会をもたらしたことはここで語るのも馬鹿馬鹿しいが。「大衆」、いい響きじゃないですか。ちなみに店名の「四十萬」は「しずま」と読むのだとか。
チャーシューメン740円をいただく。6時間かけて煮出すという鶏がらベースのスープはあくまでも透明に澄み切っている。いいかんじに塩っぽくて「漁港の味」という感じがする。潮風に吹きさらされたあとに啜りこんだらたまらんだろうな。向かいで同僚のF君が食していた「野菜ラーメン」はポーチドエッグと野菜のバランスがさらにウマそうだった。次回はそっちにしようと決意。
店を出たらこんな猫が見送ってくれた。かなり近寄って撮影したのだけれど、逃げもしない。食料豊富な漁師町で、いじめられることもなく育っているのか。人なつこい猫に出会うと、その日いちにちがなんだか幸せな気分になる。不思議だにゃあ。
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