駅弁の傑作とは。明智光秀と天下一品。鬼退治。

(前略)
ヒガシニケンカヤソショウガアレバ、ツマラナイカラヤメロトイヒ。
(後略)
サフイフヒトニワタシハナリタイ。

そういうわけで揉め事の渦中にあったわたくしは、午前11時16分富山駅発のサンダーバード22号に乗り込んだのだった。前夜は桜木町の居酒屋「銅泉」〜スナック「松本」〜新世界のスナック「リトルバード」〜とどめに新世界の謎の店「無頼漢」へとハシゴして午前3時のご帰宅だったから当然二日酔いでありました。まあ酒でも呑んどらんとやっておれないような話ではあるんだけど。


さような体調の時に最もスッキリするのが「カルピスソーダ」だったりして。グビッとやって暫時「邯鄲夢の枕」とまいります。小一時間ほど熟睡すれば、重たかった胃もなぜか軽快に動き始めたりなんかして。


富山駅で購入しておいた「幕の内弁当・立山連峰の夜明け」。700円の幕の内にしてはタイトルがすこし重すぎる気もいたしますが。


お野菜中心でカロリー低めのこの幕の内はいつ食べても感心しきり。新潟の「鮭の焼き漬け弁当」とならんで日本海側ハイパフォーマンス駅弁の双璧だな。


弁当を使う窓の外には、晩秋の琵琶湖風景が。
「我ならで たれかが植えん ひとつ松
心して吹け 志賀の浦風」
明智光秀という人は上司の心を読むのが下手であったようで。目と鼻の先で主君が叡山の僧兵相手に苦闘しているのに、何ともノンキな歌を詠んだもんですね。私ですら、ネットに露出する言説にはかなり気を使って、間違って上司が読んでも笑って済ませてもらえるように気遣っているのに。


そういうわけで神経のすり減るようなお仕事のあとは、美女を相手に放歌高吟がなによりでございます。大阪市北区の某店で。先輩二人と「おっさんロックンロールショー」を繰り広げました。日本語の歌は禁止。「ロック」に分別される外国の歌だけで終電まで盛り上がったのなんのって。


53歳と54歳クィーンの「ボヘミアン・ラプソディ」をコーラスちゅう。翌日は3名ともに声がかれて、「風邪ちゃうかな?」って、そんなん歌いすぎなだけですやん。


酔った勢いで「天下一品」を襲撃。18〜26才の間を京都で過ごしたせいかたまに無性に食べたくなるんです。ええ翌日の胃腸にどんな深刻な影響が出ようとも。なにしろ晩メシは野菜炒めが少々にコロッケ半分で、それで大暴れすればハラも減りますから。


翌朝は8時42分のサンダーバード7号で再び富山へ。朝はキチンと食欲旺盛なのだった。どうしてこんなに元気なんでしょう。不思議な52歳。


朝からお握りの弁当だと、鬼退治におもむく桃太郎になった気分がする。まあ仕事の中身を鬼退治みたいなもんやけど。

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