紅ズワイ蟹3バイで1000円。生地漁港から宇奈月温泉へ。
会社員となった30年前より今に至るまで「お前は仕事をしているのか遊んでいるのかようわからん」と言われ続けてきた。本人からすれば天然自然のビジネススタイルであり、きわめて真面目に社業に貢献しているつもりなのだけれど。
一昨日から泊りがけで黒部市~宇奈月温泉と回ってきた。もちろん仕事である。文化人類学でいうところのフィールドワークなのである。
黒部市生地(いくじ)漁港に隣接して「海の駅・生地」が店を開いており、生地漁港を中心にして富山県新川(にいかわ)地区の滑川・魚津・入善で上がった魚を直売している。
この時期のメインはなんと言ってもカニ。富山湾の紅ズワイ蟹は今年も豊漁の模様で、安いものは3バイ1000円で売られている。カニは目方で露骨に値段が違い、安いものは安いなりの身の詰まりだけど、自家用には充分。しかし越中に引っ越して3年余、蟹と甘えびとホタルイカは何のぜいたく品でもない普通の食い物になってしまった。
身は少ないが内子の味がたまらない香箱カニも3バイ1000円で、酒のアテにはこちらのほうがいいという人も多い。両方喰っちまってもたいした値段じゃないけどね。
黒部市内をうろうろとふらつき、ときに仕事らしき打ち合わせなんかして夕方5時には「いちおう名所ですから」なんて言って「宇奈月ビール館」へ。見学もそこそこに地ビールの「宇奈月ビール・かもしか」を発注する。醸造の折にモーツァルトを聴かせながら仕込んでいるそうな。
ギネスの軽いやつ。そんな感じかな。充分においしいビールでございます。ビール館を後にして宇奈月温泉へ。居酒屋で宴会。しかし何もない温泉地やな。ストリップとか怪しい客引きがないのはまあ健全でよろしいとしても、2次会に出かけるようなバー・スナックいずれもなし。産業振興の立場からするとまことに遺憾であります。
仕方がないので幾たびも温泉につかり、部屋で同僚と飲み、めずらしく仕事関係の本なんか読んで就寝した。温泉地に行っても眠るのはひとり部屋なんだな~ しかし宇奈月の湯は源泉かけ流しでもかなり温度が高く(湧出温度は92℃もあるとか)、肌当たりが柔らかくてなかなか結構でした。冬場は手あれがひどいのだけど一晩で快癒。
ホテルのロビーから撮影したのでシャンデリアとか蛍光灯が写りこんでいます。けして心霊写真じゃございません。雪景色の宇奈月渓谷。この景色のなかで2時間ばかり歩き回ってお仕事。昔の測量技師や黒部ダムの建設関係者の気持ちがわかりました。なんちゅう寒さやねん。
公衆浴場でいいから再度温泉に浸かってあったまって帰りたかったけど、ビジネスには時間の縛りというものがございましてね。富山地鉄の年代モノの電車に揺られて帰ったのでした。
何にもなかったけど、居酒屋の料理はそれなりだったしお宿の値段も安かったし、なにより温泉地はお湯が一番。スナックだバーだと騒ぐ人間の気が知れぬ。また本を1冊とウィスキーの1本も下げて出かけることにしよう。
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