50オトコのワイルドライフ。ミック・ジャガーと肉じゃがと。
日曜日の朝、洗濯を3回こなして買い物に出た。近所の桜橋交差点で派手な事故の現場検証が行われていて、何やら気分が過激になったらしい。
過激と言えばロックンロール。ミック・ジャガー様のお出ましである。アタマの中で「サティスファクション」なんか鳴らしながら自転車こいでスーパーへ。
季節の「新ジャガ」が美味そうだったので迷わず購入。新タマネギと合挽き肉で肉ジャガにすることにした。居酒屋のCMになりそうだな。「Hey! 日本ノ皆サン、ワタシ、ミック・ジャガー。コレ、肉ジャガー」なんて。
私が肉ジャガをこさえるときは、素材をざっと油で炒めてから酒とみりんと砂糖に出汁を加えて、全体が柔らかくなるまで煮込むことにしている。砂糖は白砂糖だとコクがでないから茶色の三温糖をつかう。ブラウン・シュガーですな。もっともストーンズの唄う「ブラウン・シュガー」とは砂糖じゃなくて精製の悪いコカインだけど。私は小市民だからお砂糖で我慢。
店頭にエンドウ豆も売っていたので、豆ごはんも炊くことにした。好きなんだよな、これ。春先から初夏にかけて毎日でも飽きないくらい。
私の老父も好物らしいから遺伝的性質かも知れん。もっとも彼にとっての豆ごはんは、戦時中にコメがなかった時の代用食であって、大阪へ空襲に来たB29の銀翼と分かち難い思い出もあるらしい。平和な時代の生まれでよかった。
豆を剥いて洗いながら、これがエンドウでなく大豆だったらストーンズのヒット曲「ダイスを転がせ」にひっかかって、いい洒落になるんだがなあなどとと要らんことを考えたり。MacからBluetoothでステレオにストーンズに飛ばしつつ、台所で50オトコがひたすら和食を作っている不思議もこれまた一興かと。
まあこうして出来上がりました晩飯がこれ。肉ジャガは作りすぎたので明日明後日の夕食にも、煮返されて出てくること必須。火曜日にはいい色艶加減になるだろう。ちなみにご飯とみそ汁を付けた日は禁酒禁煙としている。ここ2ヶ月ばかりだけど。
右上の青くて茶色い一品は、蕪の葉っぱをシーチキンと炒めて半乾きになるまで水分を飛ばしたもの。酒のアテにもいいのだけど、ご飯の友にはもっとぴったり。私など葉っぱが欲しくて蕪を買っているくらい。男なら蕪より株で勝負せんとあかんのでしょうが。
細かい刻みモノをして指をケガしないかって?はは、「Sticky Fingers」にはなりませんよ。大事に扱えばしなやかに長持ちするんです。指だってアレだって。アレって?包丁とか皿とかの台所用具ですって。勘違いされては困る。
3年半前、富山に越してきた当初は「日曜日はステーキの日」ときめて、ステーキにサラダにバゲットと赤ワインそしてチーズを嗜んでいたもんだった。それがいまや「不要不急の酒は飲まず」なんて言って、和食中心に酒まで抜いているなんて。われながら信じられないものがある。
まあね、永遠のセックスシンボルと言われたミック・ジャガーだってすでに69歳。トレーニングに食生活の節制にと努めてはいるらしけど、近影がこんなお姿なんだもんなあ。
ヒトは時間からだけは逃げることができない。時空を超越するためには現世での肉体を放棄するしかない。といって厭世的になる気も今のところそんなにない。いましばらくは生活の海をゆらりゆらりと漕ぎ渡りつつ、肉ジャガでも炊いていますか。それはそれでワイルドライフだと思うんだけど。
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