重松清・中島京子・阿川弘之
家庭内人間関係というヤツが苦手である。家族生活がどうにも息苦しくて、家庭を運営することに関して無能であると思う。同期入社の誰それやら、後輩部下の面々に至るまで、きちんと結婚し子育てをしているのを見ると、無条件に尊敬してしまう。夫婦のような恋人関係はあるけれど、恋人のような夫婦関係は有り得ないか、きわめて稀有だもんな。
生物の存在意義が、命の連続性であるとするならば、私は欠陥者だ。片輪モノなんだな。あまりお天道様の下を堂々と歩いていい立場じゃないんだが、最近は同じような高年単身者も多いので、ご同道の衆を頼みにしてお日様の下を歩んでいるんだな。
家庭生活不適合者のくせして、なぜか「家族小説」が好きな、非同一性自我の持ち主であるワタクシ。
たとえば、軍記モノで知られる阿川弘之が、実は家族小説に捷品を数多くものしていることは、あまり知られていない。小児腎臓病をわずらう、飛行機好きの長男を羽田空港へ連れて行く一作など、まだディ手いるまで覚えている。人の親とはせつないもんだと思った。好意と善意はおおむね裏腹の結果を呼ぶ。
現代の名手と言えば重松清。ウマいですねえ。四季折々に題材をとった四つの短編集のうち「春」。12編が収められている。長距離トラックの運転手が、春先は沖縄から初夏は北海道まで、国内に桜が咲くかぎり桜の花びらを供え続ける、不思議な地蔵の由来を描く「さくら地蔵」。小学校入学の前日に交通事故で命を絶たれた息子をしのんで、ある男が建立したものなのだけれど。
こちらはサンデー毎日に連載されていたもの。11篇の中篇からなる。夫の単身赴任以来、テレビの前のカバと化した母親。認知症のため、息子を認識できなくなってしまった、もと大正モガの母親。妻を亡くして5年、子供たちに新しい「母親」を連れてきてもいいのかどうか、悩む父親。三人の「母親」をめぐって、電車の網棚で揺れる一本の赤い花、「カーネーション」。
昨年、「ちいさいおうち」で直木賞を受賞した中島京子の短編集。田舎の家でひとり命をとじた母親の、古い家では最後の「盆」をめぐる、3姉妹の物語「最後の盆」。気丈で何事も自分が仕切りたい長女。完ぺき主義だけど気を廻しすぎて、一人疲れてしまう次女。あっけらかんとして物にこだわらない妹と。生霊死霊も飛び交って、不思議な家族物語。
出張帰りに残業して、寿司屋で一杯。スナックで二杯。雪のかけらもない不思議な一月の道を歩いて帰って、明け方近くまで本を読んで。私の最高の休日。
さすがに寝坊したので、朝飯を抜いて掃除洗濯・古新聞雑誌の整理・クリーニングなどを一気にこなして、ご褒美にはもちろん、富山ブラックラーメン。まあ食後にのどの渇くことよ。500ccのペットボトルなんか一気飲みだもんね。それがまた、酔い醒めの水みたいでウマイのなんの。
快晴の富山市桜橋周辺
生物の存在意義が、命の連続性であるとするならば、私は欠陥者だ。片輪モノなんだな。あまりお天道様の下を堂々と歩いていい立場じゃないんだが、最近は同じような高年単身者も多いので、ご同道の衆を頼みにしてお日様の下を歩んでいるんだな。
家庭生活不適合者のくせして、なぜか「家族小説」が好きな、非同一性自我の持ち主であるワタクシ。
たとえば、軍記モノで知られる阿川弘之が、実は家族小説に捷品を数多くものしていることは、あまり知られていない。小児腎臓病をわずらう、飛行機好きの長男を羽田空港へ連れて行く一作など、まだディ手いるまで覚えている。人の親とはせつないもんだと思った。好意と善意はおおむね裏腹の結果を呼ぶ。
現代の名手と言えば重松清。ウマいですねえ。四季折々に題材をとった四つの短編集のうち「春」。12編が収められている。長距離トラックの運転手が、春先は沖縄から初夏は北海道まで、国内に桜が咲くかぎり桜の花びらを供え続ける、不思議な地蔵の由来を描く「さくら地蔵」。小学校入学の前日に交通事故で命を絶たれた息子をしのんで、ある男が建立したものなのだけれど。
こちらはサンデー毎日に連載されていたもの。11篇の中篇からなる。夫の単身赴任以来、テレビの前のカバと化した母親。認知症のため、息子を認識できなくなってしまった、もと大正モガの母親。妻を亡くして5年、子供たちに新しい「母親」を連れてきてもいいのかどうか、悩む父親。三人の「母親」をめぐって、電車の網棚で揺れる一本の赤い花、「カーネーション」。
昨年、「ちいさいおうち」で直木賞を受賞した中島京子の短編集。田舎の家でひとり命をとじた母親の、古い家では最後の「盆」をめぐる、3姉妹の物語「最後の盆」。気丈で何事も自分が仕切りたい長女。完ぺき主義だけど気を廻しすぎて、一人疲れてしまう次女。あっけらかんとして物にこだわらない妹と。生霊死霊も飛び交って、不思議な家族物語。
出張帰りに残業して、寿司屋で一杯。スナックで二杯。雪のかけらもない不思議な一月の道を歩いて帰って、明け方近くまで本を読んで。私の最高の休日。
さすがに寝坊したので、朝飯を抜いて掃除洗濯・古新聞雑誌の整理・クリーニングなどを一気にこなして、ご褒美にはもちろん、富山ブラックラーメン。まあ食後にのどの渇くことよ。500ccのペットボトルなんか一気飲みだもんね。それがまた、酔い醒めの水みたいでウマイのなんの。
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