やっぱりリズムは文語調 新約聖書から六甲おろしまで

文語調はリズムがいい。語感がいい。アナクロでコンサバかもしれないけど大好きである。例えば新約聖書。マタイによる福音書の6章26節。

口語訳 空を飛ぶ鳥をみるがよい。彼らは種をまくことをせず、刈り入れることもなく、倉にも収めない。

文語訳 飛ぶ鳥を見よ。蒔かず、刈らず、倉に収めず。


見るからにリズム感がある。リリカルである。なべて人を説得するには相手を自分のリズムに引き込むことが大事なのであるけれど、その機能において現代日本文はどうも生ぬるい気がする。教科書でも何でもわかりやすくするのは大事だけれど、民族の言語にはそれにふさわしいリズムがあるので、懐古的と言って古いモノをすべて脱ぎ捨てるのはいかがなものか。

1871年パリコンミューンにおいて、アマチュア作詩家ウジェーヌ・ポティエが作った歌は世界中で翻訳され、いっときはロシアの国家ともなった。最近は歌わなくなったなあ。

起て飢えたる者よ 今よ日は近し
醒めよ我が同胞(はらから) 暁は来ぬ
暴虐の鎖断つ日 旗は血に燃えて
海を隔てつ我等 腕(かいな)結びゆく

いざ闘わん いざ 奮い立ていざ
ああインターナショナル 我等がもの


そんな時代もあったねって。私が在学していた同志社大学じゃキャンパス移転をめぐって1980年頃まで学生運動が盛んだった。入試情宣とかバリスト(バリケードストライキ)とか。懐かしいのう。しかしこの手の歌はこういうリズム感がないとみんな乗れないんである。飢えた人たちよ立ち上がりなさい そろそろ日は近いのですよ なんて歌ってもねえ、気勢は上がらんな。

暴虐の雲 光をおおい 敵の嵐は荒れ狂う
ひるまず進め 我等が友よ 敵の鉄鎖を打ち砕け
自由の火柱輝かしく 頭上高く燃えたちぬ
今や最後の闘いに 勝利の旗はひらめかん

ワルシャワ労働歌。スターリンも好きであったらしい。やはり勇ましいですねえ。敵は幾万いるとても敢えて行かん我独りでも、って気分になる。ひょっとしてもともとは市民運動家だったどっかの国の総理大臣もそんな気分でいるんだろうか。だとしたら迷惑千万な話であって、暴虐の支配者はあんた自身なんだから。とっととお辞めなさい。




ところで文語調の歌でなによりも勇気凛々となるのは、なんといっても我が阪神タイガースの応援歌「六甲おろし」であるとおもう。歌えばたちまち気力横溢間違いなし。


一、
六甲おろしに 颯爽さっそう
蒼天そうてんける日輪にちりん
青春の覇気 うるわしく
輝く我が名ぞ 阪神タイガース
※オウ オウ オウオウ 阪神タイガース フレ フレフレフレ
二、
闘志溌剌とうしはつらつ つや今
熱血すでに 敵を
獣王の意気 高らかに
無敵の我等ぞ 阪神タイガース
※繰り返し
三、
鉄腕強打 幾千度いくちた
鍛えてここに 甲子園
勝利に燃ゆる 栄冠は
輝く我等ぞ 阪神タイガース
※繰り返し
ま、こんだけ勇壮なる応援歌があるのは12球団でも阪神タイガースだけやね。甲子園球場で勝利の雄叫びのあとにスタンドの観客が一体となってで歌うと、全体主義も悪くはないんじゃないかなんてとんでもない感情がわいてくるから不思議である。奏歌管弦の要を説いたのは孔子だけど、夫子はさすがであります。

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