美味しいカレーの作り方

近日某夜、一人ぽつねんとカレーを煮ながら想い出したこと。

入学者のほとんどが4年できちんと卒業していた、30年前のハッピーな大学生活を思い出した。一般教養のテストで、出席したこともなければ教授の顔も知らないけれど、出題内容次第ではなんとかなるかもしれない「経済学」「商学」などで、どうしても太刀打ちできない課題が出された場合とか、よく使われた方法である。少なくとも京都の某私学では。



課題例 「プレトン・ウッズ体制下における通貨供給量規制措置が、マーシャル・プラン達成に関して及ぼした影響を、両陣営それぞれの立場に則して述べよ」

回答者(私の場合) 「なーにを問われておるのか、さーっぱりわからん。果たしてこれは日本語で構成された文章なりや?しゃあないから一般教養科目における不変の法則にのっとって、例の回答を書き込んでおくか・・」

コトの真偽は知らないが、一般教養試験における採点基準については様々な学内伝説が流布されていた。いわく、解答用紙を壁一面に貼って、文字数の多いものから加点していくらしい。いわく、きちんと構成された料理レシピで論理構築力さえ発揮すれば「可」だけはくれるらしい。いわく、採点は助手任せなんで、女子大とのコンパの連絡先を記しておけば大丈夫らしい。いわく・・・

文字数を稼ぐことだけは、内容はともかく昔から何の苦痛にもならない。あとは内容である。残念ながらスーパーモテない君だったので、併設されている女子大含めて女性コネクションはなく、やむなく「美味しいカレーの作り方」でごまかしたのである。

その試験結果は、国家機密に匹敵する個人情報に帰属するので公表を差し控えます。




まあ、美味しいカレーの代表格といえば、堂島地下街の「インデアンカレー」でありますが、愚作もなかなかのレベルと自負している。カレーとすき焼きと卵かけごはんの味付けだけは、誰もみな人に譲れぬものがあるはずで、私もその独断の顰に倣っているに過ぎないが。

20代30代の頃は、スパイスにやたらに凝った。明治屋なんぞで、原形のまま購入してきて自宅の乳鉢で擂り潰して自家製ガラムマサラを作ったりした。鶏がらスープを取ってみたりもした。

40代を迎えたころ、どんだけ素人が頑張ってもハウス・S&B・グリコには勝てないことを自覚した。




いまはせいぜい、サフランライスを炊くぐらいのことである。これも、パイレックスの計量カップに水を入れ、サフランを入れて電子レンジで加熱し、しばし放置した液体を、普通に研いだ米に注いで水加減しただけのこと。そうそう、炊飯器のスイッチを入れる前に、サラダオイルを少々。




スライスした玉ねぎを、ザッと炒めて、人参を追加。水を注ぎこんで沸騰すれば、豚肩ロースの切り落としを投入し、ブーケガルニとローレルの葉を入れて、あとはアクとりつつ10分間。皮を剥いてサイコロ状に切ったジャガイモは、電子レンジで加熱してから放り込み、ひと煮立ちしたあとはいったん火を止めて、市販のカレールーをときこんで、ダマにならんようにかきまぜつつ再加熱する。

材料さえあれば、「今夜はカレーじゃ」と決意してのち、ざっと50分で完成する。辛さの好みは、一味唐辛子かカイエンペッパーで調整。まあ、その時の気分で色々と遊びますがね。基本はこんなところである。充分にウマい。サフランのおかげで疲労回復新陳代謝向上も抜群である。カレー万歳。

問題は、最低でも5皿単位で完成してしまうことで、しばらくの間食卓がカレーに占領されてしまう。無二の好物だから味覚的には大歓迎ながら、太るんだよねえ。

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