新橋なぞのカレー店「スマトラ」で。北陸上信越駅弁ベスト1とは。「漁港の肉子ちゃん」「ミュージック・ブレス・ユー」たおやめが支配する日本文学。

好きで通うているわけやないのやけど。またまたお仕事で東京へ。糸魚川を過ぎるあたり、日本海はもうすっかり冬の波になってますね。あとひと月もすれば越後湯沢は文字通りの「雪国」になる。
腰掛けのつもりで2~3年だけ住むつもりだった越中富山で6度目の冬を迎えるとはねえ。


特急「はくたか」にほとんど飛び乗り状態だったので、富山駅「源」で好きな幕の内を買う時間もなく、やむなく越後湯沢駅で「ほくほく弁当」を購入、上越新幹線でモフモフと食しつつお江戸へ。


醤油ご飯はまあいい歯触りだけど、炊きこんである具がゼンマイで、おかずにもゼンマイの佃煮と野趣あふれるのはいいけれど、少し工夫もないものかねえ。見るからに冷凍のポテトフライもやめてほしいもの。


浜離宮を見下ろす某社オフィス36階でお仕事。絶景なのかもしれないけれど高所恐怖症の私にはまったく無用ノ助でございます。とにかく自身が来ないことを祈りつつ。

仕事の後は蕎麦屋で日本酒。さらに行きつけのBarをはしごして、新橋のホテルに着いたのはいったい何時のことやら。いつも通りの愚行の輪がつながっております。


それでも勤勉だから翌日も東京でお仕事。あまり楽しい作業じゃないんだけど、好き嫌いを言わずに四の五の言わずに、サバサバ片付けるのがプロと言うもの。お昼は新橋「スマトラカレー」で500円のカレーをいただく。なぞのスマトラ人?が店内のあちこちに微妙に表情を変えて点在していて、その総数とともに未だに謎なり。


カレーはちっとも辛くなくて、極限までスパイスを倹約したお味とでも申しましょうか。煮溶かしたジャガイモと思われるでんぷん質がトロミとなっています。お世辞にもおいしいと言えないけれど、昭和30年代の夕暮れを思わせるにこれ以上の物がいくつあるかしら。

カウンターの片隅に、モジャモジャ頭の妖しい巨漢がひとり。飲み込むようにいっきに食べきって、立ちあがってみれば手に2丁のバイオリンが提げられているじゃないですか。「情熱大陸」のテーマ曲で有名な○○瀬太郎先生に相違ない。こうやってフツーに芸能人?にぶつかるのも東京ならではの出来事か。


「スマトラカレー」は酔っ払いのサラリーマンのメッカとして知られる、新橋烏森口SL広場のすぐ近くにございます。昭和30年代も前半くらいの、夕陽を背負っての帰り道、家々からながれるカレーの香りが懐かしい方はぜひ。


郷愁のカレーを瞬間のうちに(こんなもの2分以内に平らげないとうちらの業界では生きていけません)胃袋に収めて、粛々と事務をこなして、なんとか19時台の上越新幹線に乗り込むことに成功。さすがにくたびれたので、富山についてからの遅い夕食を断念して、東京駅駅弁ショップ「祭」にて、北陸上信越地方の駅弁最高傑作「鮭の焼き漬け弁当」を入手。のんびり晩酌しながら帰ろうと、越後湯沢で「上善如水」を2本買い込んで、車中独宴の構えなり。


この弁当はメインとなる「鮭の焼き漬け」が香ばしくて、酒のすすむこと。新潟コシヒカリの新米もキュッキュッと歯ごたえがええ感じやん。


今次ご出張にあってはここのところお気に入りの、津村記久子をまた一冊持ち込みました。音楽は失意の女子高生を救えるのか。全編大阪弁で、せつなくゆるい女子高生ミュージックライフが紡がれていきます。


今回初挑戦は西加奈子で、タイトルとカバーイラストではなんやら肉食女子の物語みたいだけど、なんつうか母と娘はややこしいけど永遠の友達なんやなあと。ちょっとだけ「たけくらべ」だし、どこか「日本アパッチ族」やし。テヘラン生まれの大阪育ちの作者は、なんか不可思議千万。おまけにラストシーンではしっかり涙を誘う浄瑠璃スタイル。津村記久子と西加奈子、当分読み続けることになるんでしょうねえ。


しかしここ数年の日本女流文学は凄いですね。奮起せよ、男性作家諸君。たおやめの小説もいいけれど、たまにはますらおぶりでもガツンと興奮してみたいものだよね。

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