餃子を読む。上鰻重2550円。ワールドカップ初戦敗退と阪急そば。サンダーバード最終の憂鬱とは。

奇書珍書というものが世の中にはございまして、元自動車デザイナーにして現在はマンボミュージシャンと餃子研究家とマン盆栽とサンタクロースを兼業している不可思議な男、パラダイス山元が出版した「読む餃子」。人を幸せにする餃子から人生を不愉快にする餃子、たった298円の投資でプロのように餃子を焼くテクニック、タモリ倶楽部に出展したオリジナルスタミナドリンク入り餃子まで、全編まあすべて餃子にかけた愛情でつづられた稀なる本なので餃子います。


そんな本読んでたらどうやったって餃子食べたくなるやん。田舎の悲しさで歩いていける範囲に餃子専門店はおろか、「餃子の王将」すらない。しかし止むを得ないものはすなわち止むを得ない。富山マンテンホテル裏にある、居酒屋「さぽん」名物の手作り羽根つき餃子で夕食を。胡麻焼酎のソーダ割りで。


その前日にちょっと大阪に行ってました。ワールドカップで象牙海岸に負けたあの日。ホテルの朝食が4000円もしたので、近くにある阪急梅田駅茶屋町口にある「阪急そば」でがっつりと朝飯。サムライブルーのレプリカユニフォームをまとった、パブリックビューイング帰りとおぼしき若い衆が幾人となく行き過ぎてゆく。


大阪の立ち食いそば屋でだすかやく飯って、どうしてこうチープでありながら人を惹きつけてやまないのかしら。巨大お揚げに薄口しょうゆベースのちょっと塩っぽい出汁が二日酔い気味の胃袋にたまりませぬ。初戦敗退の腹いせというわけじゃないけど、朝からよう食うなあ、俺。


安倍政権の集団的自衛権については言いたいこともあるけど、SNSの世界じゃどこで火がつくかわからないから割愛。ある種の意思表明として昼飯はズドンと豪華に鰻とした。天神橋筋商店街の「魚伊」はここ15年ばかりひいきにしている。今や少数派となった関西風地焼きであります。


カリリと焼きあがった鰻が楽しい。2550円なり。いろいろと疲れる行事が続いたし、午後は厳しく売り上げ未達成を追及される会議があるし。おまけに最終20時56分大阪発のサンダーバードで富山に帰らんとあかんし。スタミナ付けるしかないじゃないですか。


富山にたどり着いたのは深夜午前零時20分。どうして最終列車ってこんなにくたびれるんでしょう。精神の安定を求めていきつけのバーへ立ち寄ってみれば。カウンターの端には大阪から富山に出張に来ていた後輩K君がいたりして。奇遇やんけと杯を重ねて乗り物酔いが酒酔いに乗り替わったころには草木も眠る丑三つ時となってしまっていたので餃子いました。

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