over the rainbow


冬を迎えんとする富山に、明確な晴空が存在し難いことは、居住一ヵ月半を経てようやく超越論的に理解できるようになった。経験値を積むことで知見のアーマークラスがアップグレードされて、経験的事象であるにもかかわらずそれは既視的体験かのごとく帰納され、あたかもトランツェンデンタルな、先験的事象としてカテゴライズされてしまったのである。

北陸自動車道を富山インターから米原まで。更に名神高速道路、京滋バイパス、さらに名神高速道路、近畿自動車道、一般国道、阪神高速道路と乗り継いで大阪へ帰ってきたのである。クルマと縁の無い富山県人として人格が疑われている免許非所得者の私だが、一昨日から友人が泊りがけで北陸の一鄙都に慰問をかねて遊びに来てくれていたので、帰途便乗させて頂いて故郷へ堂々と凱旋したわけですね。

きのうは、三人でゴルフをして遊んだ。奇跡的に夜半までは雨が降らず曇天と霧のなか、どうして止まっているボールを打つのにこんなに苦労するんだろうと、いつもと同じ疑問を繰り返しながら18ホールを歩きとおして完走することができた。プレイ終了後は寿司屋で懇親を深め、さらに桜木町のスナックで友情を再確認しあったけど、それはまあいいや。問題は、何とか雨が降らずにゴルフ場・寿司屋と持っていた空が、やはり21時を待たずにご開帳となり、猛然として雨陣を敷いてきたことであります。どうして24時間じっとしてられないかねえ。

で、本日のドライブに戻りますが、富山名産の海産物を購入したいと言われる皆さんを大和百貨店地下食料品売り場にご案内し、お買い物をお手伝いしました。ちょうど時分時にもなったのでお昼はラーメンにしましょうということにして、ゲスト2名をあそこにご案内したわけですね。そう、隔絶的塩分を誇る富山ブラックラーメン「大喜」のしかも西町本店へ。

さすがに本店は、塩辛麺類道を極めんとする求道者で満杯で、なかには「大盛」「特大」を頼んでいる修験者もいて驚愕してしまった。あの側頭部直撃血圧50ミリ上昇確約の、たぶん醤油を飲むより塩分濃度がきつそうなラーメンを、普通盛りの2.5倍である「大盛」とかさらにひと玉の麺が投入されている「特大」を頼んでしかも平気で平らげるのはいかなる体内イオンバランスの持ち主かと怖れ憚りながら尊顔を盗み見たのだけれど、結構普通のおじさんと兄ちゃんだったので、よけい空恐ろしかったりして。

まあそういうスプラッターな昼食をしたためて、高速道路上の人になったわけでありますが、富山名物の氷雨は止もうとする気配も無くてね。雲海ははるか小松市ちかくまで漂っていたのでした。 el sol scielo de toyama. 青空続かぬ厳しくうるわしい町は富山。

ところで、小松を抜けて雲海を脱出すると広報に見事な虹がかかっておりました。ここに越中路が始まり終わるのだと。明示にして暗示を授けられた道のりであったのです。

ちなみに虹の画像は走行中で撮影が間に合いませんでした。文頭の写真は若狭湾の近くで、
いずこかのPAにて撮影したものです。画面の端になにげに原発が写ってます。

コメント

  1. お疲れ様でした!
    昆布巻きのかまぼこと味噌汁絶品でした。
    富山ブラックが少しだけ懐かしいでございます。

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