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隠居の食欲「老いては胃にしたがえ」朝によし昼によし暑いので手早く「ぶっかけ」

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 いやあ阪神強かったですね。ファンとしてしっかり優勝試合はサンテレビで応援し、優勝決定後は民放各局の優勝特番をはしごして、午前3時まで祝杯を挙げてしまいました。 毎晩のようにウィスキーにして1/2本分くらいのアルコールを摂取してますが、こんなイベントがあるともはやどれだけ飲んだのか自覚不能であります。 そんな朝でも、飲むときはあまりオツマミをぽりぽりやらないので、腹だけは減ります。明け方までコーフンしているから普段より旺盛かもしれない。 もう9月というのに朝から暑いから、つめたくてさっぱりしたもののほうがいい。 手軽に用意できるものだけで、毎朝みたいに作っているのが「ぶっかけそば/そうめん」です。 材料はこんだけ。4倍希釈のめんつゆを40㏄ばかり、干しそばもしくはそうめん1束、温泉卵に薬味類です。干しそばはなるべくゆで時間が短いもののほうが便利で、わたしは近所のイオン系スーパーでうっている「出石そば」を使ってます。ゆで時間が5分で、5束入って289円くらいかな、安いのもありがたい。これは指定時間ゆでて、水切りしながら冷やします。 めんつゆは「ヒガシマルめんスープ」で、コープあたりでは1本185円くらいで売っていることもあるとか。 薬味は青葱・大葉・ミョウガをきざんだもの。野菜全般が高いので天満市場とかライフストアとか阪急百貨店の地下(ここが意外とスーパーより安かったりする)などで買い込んで1週間に1度ないし2度まとめて刻んでおきます。大好きな冷ややっことか冷や汁とか明太子スパゲッティとか使い道は多様です。 めんつゆは冷水で希釈してもいいのだけど、こまめに自宅で「出汁」をひいて冷蔵庫で保存している方は、そちらで希釈することをお勧めする。味の深みがちがいます。 私が使う「出汁」ですが ・冷水用ポットに出し昆布を10センチ×18センチくらいに切って2~3枚 干し椎茸を1枚  私は昆布流通の本場大阪に住んでいるので、近所にある昆布問屋から切り落としを格安  でゆずってもらってますが、Amazonでも安いのあります  干し椎茸はAmazonで一袋1000円くらいまでのものを ・水を張って冷蔵庫で一晩寝かす ・昆布と干しシイタケを鍋に入れて、私は「かね七」の「天然だしの素」という  ティーバッグスタイルの だしパックを5つ使う。60入りで1000円前後かな。  火にかけ...

江戸時代の遊女料理は卵と薄揚げで。洋の東西で違うもんだ。老人の記憶違いはご容赦を。

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 江戸時代の妓楼でも遊女たちが「お泊り」の客に対して、手料理をふるまっていたらしい。ただわざわざ台所で」というほどのものでもなく、長火鉢などでてばやくつくれるものであったらしい。らしい、というのはそのことを書いた(たぶん池波正太郎さんの)本が書棚じゅうを探しても見つからず、おぼろげな記憶がベースになってしまっているからだ。 まあご隠居のうろ覚えということで許してください。 CHATGPTに聞いてみても、いまいちイメージが違っていたりして、まあそのうち思いがけないところでその本をみつけだしたら、池波さんの所見を追記しておきます。 CHATGPTによると料理名は「あぶたま」という。本で読んだのはもっと優雅で洒落た名前だったはずなんだけど。 わたしがおぼえている料理は、濃いめのだし汁で薄揚げをさっと煮て、卵で半熟にとじて汁ごとさめたご飯にかける、というもの。まあ夜更けまでの合戦をこなしたあとに早朝から米を炊いていたんじゃ遊女もたまるまいし。 手順、というほどの料理でもないけど ・ごはん、軽く茶碗に一杯 あたたかくても、ひえていても 冷や飯のほうが趣あるかも ・卵 ひとつ わりほぐしておく ・葱 ななめにきざんでおく 九条葱とか青葱のほうが私は好き ・だし汁 めんつゆをパッケージの「薄めかた」の「どんぶりもの」の濃さに 100㏄ほど  水で割ってもいいけど、出し汁を作りおいているなら、それで割ると味に深みが ・薄揚げ 10センチ四方を二つに切って1センチくらいに細切りに 鍋にだし汁を沸かし、葱と薄揚げを入れて、葱に火が通ったら卵をまわしかけて 箸でかきまぜつつ鍋も細かく動かして(そうしないと卵がなべ底にはりつく)半熟くらいで エイヤとご飯にぶっかける あとはお好みで七味とか山椒を。出し汁の量はつゆだくがお好みならもっと増やしても。 前回紹介したナポリの娼婦風スパゲティにくらべるとかなりあっさりしたものだけど、まあ民族性とか体力の違いなんでしょうか。ただ獣肉禁忌の江戸時代は精力剤といえば卵であったらしく、吉原には卵売りという商売もあったらしい。なので泊りの客を卵でもてなすのは理にかなっているとはいえる。私はちょっと出し汁多めで甘辛いほうが好きだからみりんと薄口しょうゆを少し足して、朝であっても昼であってもサラサラっとかきこんでいる。 当節(令和7年9月6日)など酷暑の...

隠居だって作って楽しい「娼婦風スパゲティ」とは。

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 マリアだったか、アンナだったか。とにかく彼女は亭主持ちの娼婦で、旦那が仕事へ行っている間にナポリの街角に立ち、稼いでいた。旦那が帰宅する前に大急ぎで家に戻り、大急ぎで食卓をととのえた。作るものはスパゲティで、ニンニク、アンチョビ、ケイパーに黒オリーブと、イタリアの家庭ならどこでも常備されている食材と、これまたナポリ下町の家庭では1年ぶん仕込まれている裏ごしのトマトを使い、大特急で仕上げる。このスパゲティは「スパゲティ アラ プッタネスカ」すなわち「娼婦風スパゲティ」と呼ばれるようになり、ナポリにおいて味の定番となった。もとより名前の由来に定説はなく、私が加筆引用したのは「暮らしの手帖/ごちそうの手帖」に増井和子さんが寄せられたものです。 そこに細かいレシピも掲載されていて、「暮らしの手帖」だけあってとてもよくできているのだけど、隠居料理は手抜きと時短も大事な要件なので私なりに作り方は変えている。 トマトソース以外の材料はこれだけ。刻んだニンニクとアンチョビとブラックオリーブのスライスにケイパーを。ケイパーな塩漬けのほうがいいのだけど近所のスーパーに売っていないので酢漬けで代用する。 オリーブオイルに刻んだニンニクを加えて、とろ火で加熱する。香りが立ってきたら、アンチョビを2枚入れて、箸かフォークでほぐす。無塩のトマトジュース1パックとざっくり切り分けたトマトを入れて弱火~中火で煮詰めていく。煮ている間にトマトの皮がはがれてくるので 箸でつまんで捨ててやる。トマトの皮が入っていても食感が少し悪くなるだけだから、そこはお好みで。市販のトマトソースを使ったって何の問題もない。 タイミングを合わせてスパゲティをゆでる。わたしはマ・マーの1.6ミリ3分ゆであがりを愛用していて(時短と、片手鍋でゆでられるショートスタイルなので)ソースが6分がた煮詰まったところで麵をゆで始めて、3分後に上褐のようにフライパンへ移してフライパンをあおりながら麺とソースをからめ合わせて、ケイパーと黒オリーブを加えて完成となる。 塩気が足りなければ塩コショウで加減する。スパゲティをはじめとしたパスタ料理の悲しいところは、仕上がるなり急いで食べ始めて、一気に食べあげるほうが肉体的に快感となるところで、ゆっくり味わっているわけにはいかない。作っている自分がいうのもなんだけれど、隠居のお昼にはなか...