江戸時代の遊女料理は卵と薄揚げで。洋の東西で違うもんだ。老人の記憶違いはご容赦を。
江戸時代の妓楼でも遊女たちが「お泊り」の客に対して、手料理をふるまっていたらしい。ただわざわざ台所で」というほどのものでもなく、長火鉢などでてばやくつくれるものであったらしい。らしい、というのはそのことを書いた(たぶん池波正太郎さんの)本が書棚じゅうを探しても見つからず、おぼろげな記憶がベースになってしまっているからだ。
まあご隠居のうろ覚えということで許してください。
CHATGPTに聞いてみても、いまいちイメージが違っていたりして、まあそのうち思いがけないところでその本をみつけだしたら、池波さんの所見を追記しておきます。
CHATGPTによると料理名は「あぶたま」という。本で読んだのはもっと優雅で洒落た名前だったはずなんだけど。
わたしがおぼえている料理は、濃いめのだし汁で薄揚げをさっと煮て、卵で半熟にとじて汁ごとさめたご飯にかける、というもの。まあ夜更けまでの合戦をこなしたあとに早朝から米を炊いていたんじゃ遊女もたまるまいし。
手順、というほどの料理でもないけど
・ごはん、軽く茶碗に一杯 あたたかくても、ひえていても 冷や飯のほうが趣あるかも
・卵 ひとつ わりほぐしておく
・葱 ななめにきざんでおく 九条葱とか青葱のほうが私は好き
・だし汁 めんつゆをパッケージの「薄めかた」の「どんぶりもの」の濃さに 100㏄ほど
水で割ってもいいけど、出し汁を作りおいているなら、それで割ると味に深みが
・薄揚げ 10センチ四方を二つに切って1センチくらいに細切りに
鍋にだし汁を沸かし、葱と薄揚げを入れて、葱に火が通ったら卵をまわしかけて
箸でかきまぜつつ鍋も細かく動かして(そうしないと卵がなべ底にはりつく)半熟くらいで
エイヤとご飯にぶっかける
あとはお好みで七味とか山椒を。出し汁の量はつゆだくがお好みならもっと増やしても。
前回紹介したナポリの娼婦風スパゲティにくらべるとかなりあっさりしたものだけど、まあ民族性とか体力の違いなんでしょうか。ただ獣肉禁忌の江戸時代は精力剤といえば卵であったらしく、吉原には卵売りという商売もあったらしい。なので泊りの客を卵でもてなすのは理にかなっているとはいえる。私はちょっと出し汁多めで甘辛いほうが好きだからみりんと薄口しょうゆを少し足して、朝であっても昼であってもサラサラっとかきこんでいる。
当節(令和7年9月6日)など酷暑のおりは、みそ汁も冷やしておいて冷や汁にしてそえてやるとこれまたいいもんです。
江戸の遊女料理といえばあと「卵ふわふわ」が知られていて、たしかこれは料理書の「玉子百珍」にもでていた有名料理だけど、ちょっとスフレみたいで加減が難しい。寝起きの遊女が眠気まじりで作れる態のものでなく(わたしも作る自信がない)ので割愛した。
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