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アル中にあらず。牛鮭定食の夜。

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私はアル中にはあらずして、平均すれば週に一日くらいはアルコールを抜いている。連夜のごとく明け方まで酒に使っているなどと言うのは風評に過ぎず、冤罪としか言いようがない。 お誘いの画面 昨日もそういうわけでお誘いがなかったわけじゃないが禁酒した。 禁酒するということは自宅でも晩酌をしないことを意味する。私は酒肴を作る料理人としてはかなりの腕前と自負しているから、自炊して酒のアテなんか作ってしまっては禁酒の趣旨にもとってしまう。 ということで、とっとと吉野家へ伺候し、「牛鮭サラダ定食」なぞをサクサクっと召し上がる。570円なり。かなり満腹するので、このうえでビールを飲もうなんて邪念もわきませぬ。 富山市松川べりのわび住まいに戻って、ぼーっとテレビを見るというテもあるけれど、こういう日に備えてアマゾンから取り寄せてある本もきちんとあったりして。 じつは軍事オタクのヒコーキマニアだったりするので、毎年こんな本を取り寄せている。一冊5800円は結構な出費ではあるけれど、一週間は楽しめるので、まあいいか。しかし、世界不況の成果新型軍用機の開発は1990年代でとまってしまったと実感。第5世代戦闘機を実用化したのは結局アメリカのF22だけで、航空自衛隊が導入を決定したF35は航空史に残る駄作になりそうだし。 金属とグラスファイバーの塊ばっかりが掲載されている写真集でコーフンしてしまったので、睡眠導入剤のベンザリンを服用して寝床へつく。飲兵衛の私のために主治医が処方してくださっている、副作用のない導入剤で、こいつを注入すると一時間半後には気絶、六時間は熟睡できるスグレモノなんである。 おかげさまで今朝の目覚めは実にスッキリ。納豆・だし巻き玉子・新キャベツの味噌汁で出張業務に向けて発進するんである。充実の朝食で仕事に立ち向かう。仕事師の鏡やね。 問題は、こういう生活が二日と続かないことで、きっと今夜は六本木か銀座あたりで沈没しているんでしょうね。やっぱりアル中なのかな、私って。

牛丼にはじまりスキヤキに終わる。

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年度末もいよいよ大詰めとなってまいりまして、決算やら来年度予算やらのお仕事で東西奔走七転八倒の毎日でござんす。窓際サラリーマンと言え、一年間の不始末の整理や、来年度のシノギを立てるご相談事などがそれなりにたまっておりまして。 気ぜわしいと、のんびりメシを喰う気にもなりませんで。週アタマの月曜からお昼ごはんにこんなものを頂いたりもいたします。吉野家の牛丼に半熟玉子。これウマイのよね。待ち時間二分、喫食時間三分。実に素晴らしい。 上司に数字の言い訳をするためにわざわざ大阪本社へご出張なんであります。朝イチからなので前夜ちゅうに大阪へ。県庁所在地では、富山が大阪から一番時間的に遠いから仕方ない。那覇や札幌から飛行機で飛んだほうが早いんだもの。べつに鉄道好きの私はちっとも困らないけど。 缶ビール二本でお弁当を頂きます。富山駅「源」のお花見弁当、1000円のところが賞味期限ぎりぎりだとかで30%オフでした。しかし桜が咲くのはいつのことやら。 まあ彩りも華やかな弁当です。酢飯が少し甘いかな。でも女性客向けかもしれない。ビールとともに嚥下して、まあ五分強のお食事時間。業界的に弁当ひとつ食うのに五分以上かけていたら先輩から鉄拳制裁があってもおかしくないところなんで、入社以来三十年こんなことだけ習熟しております。良いことなのか悪いことなのか。わからん。 定宿のリーガロイヤルホテル。この日はやたらに混み合っていたとかで、深夜にチェックインしたらいつものウェストウィングのシングルじゃなくてタワーウィングのダブルに案内された。前もって言ってくださっておれば、ひとりじゃ寝ずにウフフフするのにね(虚勢かよ)。 お仕事は午前の部(打ち合わせ)、午後の部(大会議)と滞りなく。半月かけて言い訳を考えていたけど、そこへ辿りつく前に事実を看破されました。だてに役員賞与もらってらっしゃる訳じゃないんですね。 楽しいお仕事が終わって、懇親会やら二次会やら三次会やら。寝不足のまま有馬ロイヤルゴルフクラブへ行ってまいりました。日ごろ行ないの悪い連中が集まってのコンペですからね。途中で雹はふってくるわ寒くて震えるわ。18ホールあがって風呂に入る頃からお天道様がさんさんと陽を降りそそぎ出したのは、高松支社長の悪品行か神戸支社長の悪品行か。 ゴルフ

山口瞳と東海林さだお。永遠の中年。

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さきの3月11日に52歳となり(えらい日に生まれたもんやねえ)、さて俺はすでに初老と呼ばれなければならんのか、まだ中年と称していてよいのだろうかと考え込んでしまった。震災と原発のことは?もちろん考えていますとも。ただしこの稿は単にその日が誕生日だった人間の、個人のおもいであります。 社会人となった1982年ころ、周囲の50代はすべて初老に見えた。しかし爾来平均寿命は伸びに伸び、定年も55歳から60歳に延長されている。寿命が延びると人間は成長と老化のスピードが鈍化するらしいから、今の52歳はかつての42歳くらいなのかもしれない。少なくとも自分ではそう信じたい。 まあ世の中には「永遠の中年」とでも呼ぶべき人間もおり、私にとっては東海林さだおと山口瞳のお二人がそうなる。憧れますねえ。 1982〜83年のヒット曲です。懐かしい。 かつて中年というのは35歳〜45歳くらいを指していた。45を過ぎるともう「初老」と言われていた気がする。昭和50年代のころのことだ。当時40前だった東海林さだおは自らのことを「チューネン」と卑下していた。 33年前の本だもん。黄変もやむなし。 1978年発行の「ショージ君のゴキゲン日記」で「われら中年2名は・・・」などとモノしておられるけど、当時御大はまだ38歳だったはず。しかし国民の平均年齢が80を越している今日この頃、38歳は果たして中年か。御大ことしで75歳。最新刊の「アンパンの丸かじり」は明日アマゾンから届く。前作までは文体にいささかの衰えもなく、いったいこのひとは何時になったら中年から老年へとお引っ越しあそばすのかと驚かされている。明日も驚かせて欲しいもんだと熱望する。 中年の星、と言えば山口瞳。独断ですけど。江分利満氏シリーズや「居酒屋兆治」とかのイメージが強すぎるのかもしれない。晴子夫人へのインタビューで構成された「瞳さんと」は、一番身近な人間が語った評伝である。はたち前まだ鎌倉アカデミアの学生だった時分から亡くなるまでの山口瞳の人生と、彼を取り巻く親族血縁友人先輩後輩の摩訶不思議な人々が語りおろされている。 毎年4月1日のサントリー新聞広告で「新入社員諸君」とシリーズ物をやっていた。はじまったのが1978年で、私が同志社大学に入学した年だ。95年まで続いたから、サラリーマ

不条理的読書日記 あなたの獣=あなた除け者

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カミュの「異邦人」を読んだとき以来の不条理感漂う小説だった。主人公の櫻田哲生は、誰のためにも生きていない。自分のためにさえ生きていない。主体的に他人とかかわることを拒否して、ピスタチオのように、ちょっとだけ表情を出して殻にこもって生きている。 きちんと就職するでもなく、妻の出産にあっても父としての自覚をもたずにそのポジションから逃走を図る。その行き先はかつての婚約者で、いまや離婚経験者にしてシングルマザーである。櫻田哲生に人生を破壊された女なのに、櫻田を庇ってやったりする。女にモテるわけではないが、あまりに無責任な存在感のなさが「傍にいて鬱陶しくなく」て、三日目の猫のように囲ってもらえる事態を生起させる。女から女へと渡り歩いて、恋愛でない生殖行為を繰り返し、猫のように無節操に子供を残してゆく。 カミュの「異邦人」が、キリスト教倫理社会からの「除け者」であるように、櫻田哲生は勤労と家族制度に支えられている日本型資本主義社会からの「除け者」である。そして、不条理劇がしばしばそうであるように、社会に対するぎこちない不恰好さはその動きのこわばりから「高度の滑稽」をもたらしてしまう。 あまりにこわくておもしろくて、日曜の午後に一気に読んでしまった。

日本列島ラーメン・蕎麦でよじれ旅

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越中富山の窓際族も年度末となると色々と忙しい。去年もそうだけどなぜか3月は旅が重なってしまう。先々週東京から帰って二日後には九州へ。富山空港からは羽田と千歳にしか飛んでいないので、陸路を富山~新大阪~博多~熊本~博多~小倉~博多と渡り歩くことになります。 富山駅でまずは腹ごしらえ。駅構内の「立山そば」で天ぷらそばに生玉子入れて。それと「源」ご自慢のますのすしを一切れ。朝の立ち食いそばってどうしてこうも魅惑的なんでしょう。 サンダーバードで新大阪へ。3時間と27分かかるんです。ここでさらに40分の待ち合わせを経て九州新幹線「さくら」に乗り換え。博多まで2時間40分。ざっと7時間の道のりです。でもJR九州の車両って「居住性」と「デザイン」が見事に融和していますね。 博多からちょいと熊本に足を伸ばして「桂花ラーメン」。熊本競輪場での打ち合わせの帰りに寸暇を惜しんで立ち寄った。東京新宿の支店にはたまに行くけど、やっぱり本店は違います。溶かし込んだラードが唇にまとわりついてなんともエロいのね。こげ茶色は「麻油(マーユ)」といってニンニクを精製してごま油に溶かし込んだもの。こいつのパンチがまたすばらしい。 しかし九州新幹線ってのは便利ですね。博多をベースに小倉でも熊本でも、富山から金沢・高岡の感覚でヒョイと行って帰られる。 取って返して博多の朝は散歩がてらに「天草大王ラーメン」を。お店の名前は出しません。だって味がほとんど「サッポロ一番塩ラーメン」だもん。何でもかんでも本場に行けばおいしいとは限らないのは、札幌ラーメン横丁で実証済みだけど。まあ「天草大王」に惹かれた自分がアホなのです。 JR博多駅はそれはそれはすごい大伽藍になっていまして。東京駅や新装なった大阪駅よりも広く大きく楽しいですね。一日遊べます。駅の二階に「ラーメン通り」みたいなコーナーがあって、においにつられて入った「一幸舎」で博多ラーメンを。仕事も終わっていたので、生ビールに餃子までつけちゃって。見た目よりあっさりしてます。しかし博多じゃ二晩よく飲みよく唄いよく遊んだ。 博多からさらに大阪へ。朝5時まで騒いでゴルフに行って、前半で65も叩いてしまった。30センチのパットを4回も外して。完全に酔っ払っていましたね。後半は立ち直って52で。め

日本列島右往左往~屹立するスカイツリー

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まだ日本列島を西へ東へ移動を続けている。旅先ではその土地ならではの食い物をためしたり、地酒をかっくらったり。そのほかにも色々とためしてみたいものが多くて何かと多忙なので、この日記を更新するヒマがなくなってしまう。 富山駅「源」は名物「ますのすし」の老舗であるとともに、駅構内駅弁販売を一手に引き受けている。非常に質の高い幕の内をはじめとして、「鰤かま照り焼き弁当」とか「焼き鯖寿司」などの傑作も多い。そこがつくった「ありがとう日本海号弁当」って、どんな限定品かってワクワクするじゃありませんか。先週に引き続きまたまた東京出張になったけど、イソイソと買い込んで「特急はくたか」に乗り込んだわけです。 で、麗々しい掛け紙をはがしてみると、その下から出てきたものは・・・いつもの幕の内とおんなじ紙容器じゃありませんか。見かけだけかよって、この失望感ったら。すげー厚化粧のおねいさんと、一夜を過ごしてすっぴんに戻ったときの衝撃と申しますか。                おまけに中身もいつもの幕の内と寸分たがわないんだよね。こりゃ詐欺だろ。どこが「特別」なんだよ。説明してほしいもんです。非常に質の高い幕の内で、旨いことは確かに旨いんだけどね。この後の東京での用事が、けっこうややこしい案件だけに、前途に暗雲を思わせてくれる事件ではございました。 でも私だってムダに51年間メシ食ってきたわけじゃなく、窓際族といいながらも、それなりの渡世を踏んできております。お仕事には何とか曙光が見えてまいりました。いつもの銀座新橋有楽町じゃつまらんと、同行のF君が申しますので、この日は両国で焼き鳥食ったあとに錦糸町へ。つねにある種の魂胆をもって行動するF君は、錦糸町の国際的呼び込み風俗乱立に魂を奪われていたようです。とりあえずはバーに飛び込んで、シーバスリーガルのハイボールをいただきます。 焼き鳥と煮込みだけじゃハラが持たなかったので、英国風のフィッシュ&チップスを注文。本場並みにモルトビネガーがついてくるあたり、やっぱり東京ですねえ。お洒落やわあ。お酢の瓶の左後方、夜景の見えるスツールでは、グレーのスーツをお召しになったお嬢さんがテーブルに突っ伏して嗚咽を漏らしておられます。あえて放置せざるべけんや。ねえねえ助けに行きましょうよと、F君は言いたげでし