支那麺「はしご」で始まる東京食日記。「駒形どぜう」に「いもや」にみる首都の良心とは。

大阪へ行っとったなあと振り返る間もなく東京なのである。富山から最終の「特急はくたか」と上越新幹線を乗り継いで、とりあえずたどり着いた。晩飯に駅弁というのはどうもわびしいので、空腹を我慢した。有楽町というか数寄屋橋の「はしご」にて坦々麺。こいつは東京へ行くたびに食わずにおられない大好物なのだ。


今回のお宿はホテルグランパレス。20階の部屋から金の玉ねぎを見下ろす。しかし東京はPM2.5なのかスモッグがひどいね。ただ市内の緑は富山より豊かな感じがする。


朝10時から仕事・打ち合わせ・総会出席・仕事と重ねて、それでも16時には予定が終了してしまった。今回は黒部の老大師とごいっしょで、互いに美酒佳肴には目がないから、明るいうちからハイボールをやろうということで衆議一決。銀座の名店「ロックフィッシュ」でこの日のスタートを切った。


老大師にご夕食は何がいいかとお聞きすると「任す」とのことだったので、まだ行幸遊ばしていないと聞く「浅草駒形どぜう」へ。私は小学生のころに親に連れられてきて、その後もちょくちょく敷居をまたいでいるからまあ人を案内するのに不安感はない。


しかし高くなったよなァ。まる鍋が一枚1700円とは。かつては庶民の気安い下手味だったのが高級料理になってしまった。でも山盛りの葱とささがき牛蒡とともにいただくと、こいつは常温の日本酒によろしく、名物のカストリ焼酎にも最適で、ついつい杯を重ねる仕儀となる。老大師にも気に入っていただいて一安心。


それからふたたび銀座に戻り、新橋にも舞い降りて九段下のホテルに戻ったのは・・・まだ11時半だったのです。スタートが早いとさすがの私も日付変更線前に落城するとみえる。

ただ楽しく騒ぎすぎていささかの空腹感をおぼえてしまい、ホテルの近くにあった「博多赤のれん直営」なる看板を見過ごすことができなくなってしまった。ダ~イエットは明日から・・・


土曜日は富山に帰るだけだったので、久しぶりに神田神保町古書店街へ。まずは腹ごしらえで、天丼の名店「いもや」へ。ここの店内が、揚げ物専門店なのにいつ行っても磨きたての清潔感があるのは、なんというか凄みを感じさせる。


天丼にシジミのみそ汁がついて600円はいかにも東京の良心で、増税で50円上がったのはやむを得ないところ。変化といえば(私が記憶する限り)ここ20年ぐらい揚げ手をつとめていた兄さんが若い職人に後退して裏方に回っていたことに、私の加齢を思わさせられた。

見る限り丁寧な仕事ぶりは引き継がれているけれど、兄さんとなんだかリズム感が違うような。


2時間ばかり古書店街を徘徊した。やっぱりここは本好きの聖地でありますね。持ち帰るのが大変だから買いすぎないように留意しつつ真剣に掘り出し物を探す。


全部で5冊買ったのだけど、この「近世越登賀史料」は天保年間を中心に戸籍やら富山城の職員名簿やら、お役人が金沢から富山経由で越後へ回る日記(毎晩みたいに遊女をあげて大騒ぎしていて羨ましいこと)やらの、いわゆる「史料」が集められていて楽しい。


出張していたんだか遊んでいたんだか。まあ「機会は最大限に生かす」というのが私のモットーではあるのだけれど。

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