乗り鉄は普通列車で大阪から富山へ。

大阪出張からの帰途、スーツとか黒革靴とかは宅急便で送り返して、気楽な服で天神橋筋商店街を散策する。お目当ては中崎町「うまい屋」のタコ焼き。


ダシがよくきいているので、ここのタコ焼きはソースをつけずにそのままパクリとやるのがいい。二度焼きされているから、外側はカリカリで内側はふっくら。私はこれが大阪一ウマいと思っている。正午すぎに軽い腹ふさぎ。


大阪駅へ着いて大失敗に気がついた。27日に仕事を終えて、そのまま富山へ帰ればいいのに、土曜日にゴルフに興じたりしてズルズル居着いているうちにサンダーバードの割引券が使えなくなってしまった。そう、連休に突入するとJRは姑息にも割引適用を休止するのだ。


ま、割引券は次の出張で使えばいいんやけど。ただ同じサンダーバードの切符を取り直すのも芸がない気がして。せっかく天気もいいし、暑くもなく寒くもないいい気候だし。普通電車で行けるところまで行ってしまおう。乗車券だけ買って12時30分発・近江塩津行きの新快速に乗り込んだ。瀬尾まいこのせつない小説なんか読みながら。


終点の近江塩津駅では、次の敦賀行き普通電車が来るまで30分ばかりの待ち時間。この日は一眼レフのカメラやら三脚を持った乗客でほとんど満席。なんかお祭りでもあるんかなと思いきや、長浜駅でホームに蒸気機関車が停車していて、駅構内から周辺一帯まで「撮り鉄」達があふれている。


15時すぎに敦賀駅に到着。ここで金沢行きの普通電車を45分待たなければならない。別にサンダーバードに乗り換えてもいいんだけど、ここまで来たら意地になりました。遅い昼メシを駅前の「中田食堂」で。名物のおろしそばをスルスルと。店のテレビは阪神タイガースの負け試合が流れていて、一人旅の寂しさに塩をすりこんでくれる。

北陸本線の普通列車は交直両用の413系が主力だったけれど、徐々に写真の521系に入れ替わりつつある。乗り心地は飛躍的に改善されたし、トイレもバリアフリーのきれいな洋式になって言う事なし。でもちょいと旅情には欠けるんだよね。寝台特急改造の419系なんかノスタルジックで最高だったけど、残念ながら昨年引退してしまった。日常的に乗車しない旅人の勝手な想いにしか過ぎないのは承知しておりますよ、もちろん。


おろし蕎麦なら、今庄駅か武生駅で途中下車して本場中の本場で食べるべきなのだけど、1時間に1~2本しか普通列車が運行されていないからね。他の目的もあって、次の途中下車は小松駅とした。


こいつをジカに見たかったのです。サンダーバードの車窓からチラリとは見えるけど、現物に触れてみたくて。世界最大級のダンプカー「コマツ930E」は全高が7mあり、最大積載量はなんと297トン。鉱山の鉱石運搬用で、日本ではここでしかお目にかかれない。


19時に金沢駅に到着。駅構内の居酒屋「黒百合」に突撃。ここは本当に名店。大阪駅を出て6時間半、さすがにお腹もすいたしなにより喉が渇いたし。


季節の山菜天ぷら(セリ・山ミツバ・フキノトウ・ワラビ・コシアブラ)がビールにぴったりで、蒲鉾と車麩とシラタキのおでんで萬歳楽「花伝」をぐびり。大和芋を丹念にすり下ろした月見とろろは腰の強いこと貴女のごとし。これがまた酒にあうこと。


富山駅にたどり着いたのは20時30分。大阪を出て8時間。これを人は伊達や酔狂って言うんでしょうね。サンダーバードなら3時間半ですもの。でも楽しかったなあ。「乗り鉄」の資格充分であると自覚した一日なり。

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