マグロ丼・生ウニ丼・海鮮丼 初夏の東北で丼三昧なのだ。

私の所属する業界では年に一度、日本のどこかで集結して「全国大会」というやつをやる。去年は福岡だった。今年は青森である。富山から大阪に出張していたから戻らずに東海道新幹線で東京へ、さらに東北新幹線で青森へ。夜はお取引先と会食である。お仕事なんだからな。しかし朝はホテルの向かいにある青森海鮮市場「アウガ」の「市場食堂」で、マグロ丼をいただく。1000円なり。本マグロはトロより赤身のほうがウマいと思う。


ここの市場は魚卵(タラコ・筋子)と、本マグロ、ウニがきわだっている。買い占めて自宅に送りたいけれど、帰宅するのは一週間あとなので自重した。あなたも青森に出張して駅前に宿泊するのなら、全国どこに行ってもさして変わり映えのしないホテルの朝飯よりも、ここでマグロ丼とかウニ丼、
イクラ丼などをワイルドにむさぼるべきである。


青森と八戸で仕事は終わったのだけど、二日間ほど休暇を頂いて八戸~宮古~南三陸~気仙沼とまわって帰ることにした。被災地をこの目で見てみたかったのである。しかし現実はちょっと言葉が出てこないくらい私を圧倒した。そのありさまについてはまた別の機会に。


南三陸の志津川に仮設店舗を集めた「南三陸さんさん商店街」がある。観光客相手の食堂から、地元向けの電器店や理髪店までそろっている。駐車場には観光バスがずらりと並んでいた。


私はあまり崇高な人間ではないから、被災地を見ていろいろと感じる心と食欲は別のところにある。しかも三陸でのウニ漁はこの数日前に解禁になったばかりで、ミョウバンもくぐらせず、塩水にもさらしていないほんまもののウニがならんでいるのである。


季節料理「志のや」でいただいた生ウニ丼は一杯2000円。この数日後に東京の築地場外で見かけた生ウニ丼は4500円の値がついていた。タマの贅沢だからエイヤとばかりにかきこんだ。

いやはや。店の人間に「新しいウニは醤油じゃなくて塩で食べてね」といわれたので、塩を振っていただいたのだけど、舌の上でとけましたね。自然が作り出した奇跡を味わっている気分。


南三陸から気仙沼へ。道中に見た凄惨な風景のことはおいておきましょう。夜、飲みに出かけたスナックで「お帰りになられたら、東北のすがたを皆さんに伝えて下さいね」「とにかくこの現状を見てほしいの」と言われた。いやホント申訳ないけど見物気分で来てしまって、できることといったらありのままを見ることと、お金を使うことくらいなんですけど。「とにかく来て下さることが復興につながるんです」。さらに現地の漁師の親玉と意気投合して、唄うやら踊るやら。松下幸之助翁言われるところの「同行二人」の片方にはどう思われることやら。


泊まったホテルのすぐそばに復興した「海鮮市場」があって、いつもの理由で寝坊してしまいホテルの朝食に間に合わなかった私は、そこの食堂でこの旅で三度目の海鮮丼に取り組むことにした。


アップで見ると凄い迫力だな。マグロは地場のビンチョウ。こんなものシーチキン用やんけと思っていたけど、鮮度のいいモノをきちんと熟成させたらなんとも雅味のあるものでびっくり。イクラとウニはもはや説明不要か。1800円なり。


東北の皆さんは言語に絶する災害を受けながら、もくもくと復興にはげみ、客を迎えるに「おもてなし」の心を忘れない。そのこころの大きさに触れるだけでも、いまみちのくの旅に出かける意義があると思う。

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