特急「はくたか」私的ラストランは雪景色のなか。4食連続で麺「立山そば」「リンガーハット」「小諸そば」「はしご」と。裏日本の豊かさと幸福。還暦の「ひょうちゃん」をゲット。

先日の「サンダーバード」富山~大阪直行列車ラストランに引き続き、3月の7~8日は東京出張で特急「はくたか」の私的ラストランとなった。こちらは14日の北陸新幹線開業を受けて9年間の歴史を閉じ、あらためて「北陸新幹線・はくたか」に生まれ変わる。

直江津~越後湯沢間はレール・枕木などが新幹線仕様になっているため、在来線では最高の運用速度160キロを誇るスピードランナーでもあった。


新幹線駅の開業などで富山駅は改装のまっただなかで、売店の面積が減っており、13時前の乗車だというのに弁当がすべてソールドアウト。構内営業の「立山そば」で、かき揚げ蕎麦に卵を落として。
なににつけ大喰らいの富山ケンミンが愛用するだけあって、ここの蕎麦はデフォでひと玉200グラムくらいあって食べごたえ満点だった。このたび何を思われたか「さらに増量」と表記されている。食べた感じでは、まあ蕎麦玉ひとつが225グラムくらいある感じ。大阪東京の駅そばとか立ち食い蕎麦なら、まちがいなく「大盛り」と呼ばれる量である。

それではこの店における「大盛り」とはいかなるものか。私の胃袋では完食不可能と思われるので、誰かハラペコマンを連れて行って目撃してみたいところ。


旅のお伴は酒井順子の「裏が、幸せ」。青森から博多までいわゆる「裏日本」をめぐって、表日本にない豊かで湿潤な世界を紹介している。まあ私は山陰と北陸しか知らないけど、おっしゃるように表日本の各都市よりは「ゆったり」していて「豊か」だと思う。特に富山は6年住んでみて、空恐ろしいほどのケンミンの貯蓄残高とか、土地の広さとかを実感。そりゃあんだけ広い家に住んでいれば、3世代同居してもメリットしかでてこないな。

新幹線は、その高速で「東京」をダイレクトに伝えてくる、たんなる交通機関を超越した文化のパイプみたいなものだ。ひとたびそこにつながれてしまうと、地方都市の味わいがどんどんミニ東京化されてしまう。「豊か」で「じんわりとした」富山県が、いつまでその個性を保っていられるか。


川端康成じゃないけど、三国峠をはさんで冬場の天候は文字通り一転する。越後湯沢到着前に見上げた山はまだまだ春の訪れが遠いことを主張している。


越後湯沢は3月14日以降はスキーと温泉と登山の観光駅となり、北陸との乗り継ぎたーみまるとしての機能はほぼなくなってしまう。第3セクターである「ほくほく線」がとうなるのか、心配なところだ。

しかし人が来なくなるのは一つのチャンスでもあって、今後混雑が予想される加賀温泉郷にかえて、スキーシーズンのオフにのんびりと来てみようかと。直江津から各駅停車であの絶景を眺めつつ温泉三昧というのも、55歳になってしまった私にはふさわしいかもしれない。


東京でひと仕事したのだけれど、ここんとこの飲み過ぎがたたってか、ビールに口をつける気分でもなく。店探しも面倒なので、ホテル近くの「リンガーハット」にて「国産野菜たっぷりの皿うどん」を注文した。酢とカラシとウスターソースをたっぷりかけまわして食う。シンプルな栄養摂取もわかりやすくていいもんだ。このひはそのままアルコールを抜いて、ホテルにて読書。


酒も飲まずにぐっすり眠って、朝飯は虎ノ門の「小諸そば」へ。東京中にチェーン店がある立ち食いそばだけど、結構まともなモノを出す。まだ朝も寒いので「あつもり」に暖かい蕎麦つゆを頼み、卵を落としてもらう。これで280円は良心的だよな。「小諸そば」名物のゆず入り七味がまたよく合うんだな。


夕方には富山に戻らねばならず12時で東京の現場を切り上げた。昼飯は、かれこれ30年かよい続けている銀座「はしご」で「ぱいこうだんだんめん・中辛」を。見かけほど激辛でない、ちょっと陳皮の香りがするスープは、ゴマの香りも高く、こんだけ食べ続けてきてちっとも飽きないんだなあ。

しかし案ずるに、昨日の昼飯から4食連続で麺類とは。無二の好物だから別にいいのだけれど。というか若いころはもっと面に傾倒していて「正調麺喰男」とか自称していたよなあ。


さて、私にとっての文字通りのラストラン。東京駅13時12分発「Maxtとき325号」から越後湯沢乗り換えで、14時38分発の「はくたか14号」へ。いろんなものがぶつかったんだろうなあ、先頭車両のノーズには打撃痕がいくつも見受けられる。


車内では「ほくほく線特急はくたかラストラン」に関するアナウンスがあり、希望者一人一枚限りで祈念のカードが配布された。乗務員・駅員・職員で作ったんだろうなあ。印刷とデザインの粗さにかえってほのぼのとした誠意が伝わってくる。


帰路もほくほく線の雪景色は相変わらず雄渾のひとこと。富山や石川の雪景色がどこかなおやかで、女性的なのに比べて、男性的な「量の迫力」を感じてしまう。


自宅に帰ってビールのアテにしようと、東京駅で崎陽軒の焼売を買って帰った。格別の美味というわけじゃないけど、好きなんだよな。タレ入れに使われている磁器は、俗に「ひょうちゃん」と呼ばれて、初代デザインは「フクちゃん」で有名な漫画家の横山隆一。

「ひょうちゃん」は昭和30年生まれで、今年で還暦を迎える。そこで崎陽軒では「還暦ひょうちゃんキャンペーン」を開始しており、レアものとして「赤いちゃんちゃんこひょうちゃん」を、さらにベリーレオものとして「黄金に輝いてしかも赤いちゃんちゃんこのひょうちゃん」を商品に封入することになった。

私が何気に買い求めた「昔ながらのシュウマイ」に、この赤いちゃんちゃんこのひょうちゃんが入っていたことは、全くの僥倖としか言いようがない。年に数回しか買わないんだもの。


さっそく箸置き代わりに使わせていただいた。電子レンジで加熱するときに、表面を濡らした白菜を敷いて、軽くラップして温めると、けっこう店で食べる「蒸し立て」に近くなる。上海の小龍包屋にならった知恵である。


「ひょうちゃん」も焼売を持ち帰ってはコレクトしておくうちに、結構な数になっている。しかし世間にはざっと400種類くらいが出回っているらしい。全種収集は、首都圏にでも住んでないとむりだなあ。

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