これぞ東京ラーメン。スープだってチャーシューだって自分で作っちゃえ。ラーメンを哲学する。

ラーメンだって作っちゃえ。暇な独身男がGWに時間を持て余して、自家製ラーメン作りを思い立ちました。自家製麺と自家製メンマはさすがにハードルが高いので断念しましたが。とりあえず味の方向性は昭和40年代の東京風醤油ラーメンにしました。

小学校の頃、所沢市の平凡ストア近所「永楽」で食べたなんの変哲もないけど、幾度食べても飽きない「東京ラーメン」懐かしいなあ。多分もうあの店はないんでしょうね。44年前ですからねえ。今度一度調べてみようか。

スープのベースは鶏の手羽先に手羽中です。富山のスーパー・百貨店ではめったに鶏ガラなど手に入らないので、カレーを仕込むときもこの組み合わせです。ざっと洗って大鍋に入れ、水を注いでネギの青いところ・ニンニク・ショウガを放り込んで、絶対に沸騰させないように、1時間。コトコト弱火で煮込んでいきます。


チャーシューについては「茹でた豚肉を醤油に漬け込むだけ」の東海林さだおさんレシピが魅力的だったのだけど、今回はラーメンのタレを仕込みたかったのでやや伝統的な製法をとりました。

豚バラの塊を油で炒りつけるように加熱し、余分な脂を引き出します。びっくりするほどの脂がでてきます。これは冷やして保存しておくとステキな炒め油となります。

油を切ったバラ肉を圧力鍋に。濃口醤油に酒に砂糖に八角をいれて高圧で15分。このあたりの加減は鍋とか肉のサイズで違うので、皆様それぞれにご工夫を。圧力を抜いたら、殻をむいたゆで卵を入れて、トロ火で静かに煮込んでまいります。


地元のスーパーで見る限りもっとも細めでしっかりしてそうな中華麺をもとめてきて、たっぷりの湯で茹でます。スープでタレを割り、麺を投入し、チャーシューと煮卵を並べ、永谷園のメンマ、さらに大量の青ネギをのせて、胡椒をパラリと振りかけたら・・・最後ね。

もう何も言わずに一気にかきこんでしまいました。姿うるわし味なつかし。昔の上質な東京ラーメンのお味でございます。「永楽」のはもうちょっと油の輪が浮いていたかなあ。


しかし制作時間が足かけ二日かかって、食べてしまうのはほんの10分もかからない。まあそんな「無用の用」を重ねるのが食い物づくりの虚無的な愉しさだったりするのですけど。


この日はタイガースも見事に逃げ切りの勝利で、晩酌もすすんでしまいました。一念発起、せっかく5月なんだからとタケノコご飯に若竹煮まで作って。近所の農家で朝に収穫されてすぐに水煮されたタケノコなんで、香りが違います。田舎暮らしの特権だな。

もちろん、ビールのアテには昼間に仕込んだチャーシューが大活躍です。


インスタントラーメンの袋を引き破いてとりかかれば、5分もかからない作業に、丸二日をかけるのは、あまりに時間の無駄かもしれないけれど。モノの「原点」を身体で試してみるのはなかなかに愉しいことでもありますよ。ラーメンづくりだってコトの本質に迫る哲学的作業だったりするんです。

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