的中屋のおにぎり

ようやく、ようやく桜の花がほころんできた越中である。拙宅の目の前を流れる松川べりのでも膨らんだ蕾がそこここに開きはじめている。





北国の面白いところは、桜と梅が同時に花開くことである。今日は富山駅北口と岩瀬浜をむすぶ路面電車「ポートラム」にのってとある場所へ出かけたのだが、車中から梅花を幾度か見かける事が出来た。ただし、ポートラムは市電区間から鉄道区間に切り替わると、ずいぶんなスピードで飛ばすのでシャッターを押すには至らなかった。




4月1日からその名を「ドリームスタジアム」と改称した「富山競輪場」である。富山駅北口からざっと22分で到着する。今日は本場開催(この競輪場での競走)ではなく、高知競輪場のよさこい記念を場内で中継して、いわば競馬で言うところの場外馬券売り場「WINS」のごとく活用している。




ドリームスタジアムは333メートルのバンクを囲んで、特別観覧席が1~3まで。それに一般のスタンドと選手宿舎が取り囲んでいる。観覧席の下が車券売り場になっていて、老若男女がそれぞれオッズやレース展開が映し出される画面を見上げながら車券戦略を練っている。そのすぐれて分析的な真剣なまなざしは原子核物理学者に劣らない。

賭博場と言ってしまえばなにか下品なイメージがつきまとうけれど、品のいい老齢のご夫婦が真剣にレース展開を予想しながら車券売り場を往復されていたりする。ご主人がはおっていたライトグレーに紫紺の千鳥格子のジャケットは、見ただけで圧倒されるほどの品質感をもつツィードだった。その光沢から単なるカシミヤでなくシルクが混紡されたものと思われる。

私自身の戦績は、初心者であるから仕方がないと言え全敗であった。百円玉が数枚消えて行った。どうも分析力と総合力さらに推理能力に欠けるらしい。これでも学生時代は考えを巡らせることを本業とする哲学、それもドイツ観念論を専攻していたんだがなあ。

場内を歩き回ると階段の上り下りもあり、まあいい運動になる。当然ハラが減る。来場者の懐具合にあわせて、いくつかの食事どころが用意されているのだけれど、今日はこの店に参上した。




出来ますものは麺類全般とカレー、それにおにぎりである。このおにぎりは富山県が誇る銘柄米である「八町米」をなばな農協が提供している。硬めに炊き上げられて歯ごたえじゅうぶん。日ごろおにぎりといえばコンビニのそればかり食べている身とすれば、まさに瞠目の味わいであった。ブログ「まろんと炒飯」で炒飯だけでなくおにぎりにもいい執着を見せている岸和田市民さんに、ぜひとも試してもらいたいものである。岸和田競輪場とニギリメシ対決も面白いかもしれない。




メニューも秀逸。今日は午前中が大荒れの天気で、午後に晴れ間は出たが花曇りぎみだった。晴天であれば第3観覧席から真正面に立山連峰が望見できる、全国の競輪場でも有数の眺望がある。このおにぎりを持って、本場開催の時にレースを観戦してみたいものである。

コメント

このブログの人気の投稿

二日酔いに劇的効果(個人の感想です)オロナミンC。一年計画で歯医者へ。麺類は続く。

揺れない富山

牛鮭定食万歳。自宅で吉野家の味を再現。