広く貢献するということ。

1935年、株式会社大阪野球倶楽部が創立され、球団名大阪タイガースが発足して以来、75年の長きにわたり阪神球団は球界に多大なる貢献を果たし続けてきた。地上波テレビのゴールデンタイムからナイター中継が大きく減少してからも、毎年300万人のファンを動員し、プロ野球人気を底支えしているのである。

ファン確保だけではない。若手投手の育成に関しても並々ならぬ貢献を続けている。見給え。本日も中日ドラゴンズの2年目投手伊藤準規に対して、初回に大量得点の機会を逸して彼が失意にめげることを未然に防いで見せている。1死1・3塁で5番6番が凡退するなど、努力しても出来るものではない。新人に対する謙虚な態度は尊敬に値する。その後も7イニングで3度の併殺、送りバントの失敗にランナーのボーンヘッドなど、21世紀枠で甲子園に出場した高校ですら見せないような見事なフォローで、昨年一軍で何の実績もない19歳の投手にわずか一得点で勝利をプレゼントした。

この伊藤投手に限らず、タイガースの心やさしき打者たちのおかげで自信をつけて一本立ちした投手は多い。いまや広島のエースとなった前田健、ジャイアンツきってのサウスポー内海もはじめのうちは阪神からしかなかなか白星が挙げられなかった記憶がある。スワローズの石川しかり。球界全体への貢献度は相当のものだと言わざるを得ない。

有望な新人投手に対してはチーム全員であらゆる創意をつくして挑みかかり、自信喪失させた上で二軍送りからケースによっては球界引退にまでおいこむジャイアンツとはえらい違いである。仕事と言うものは自分だけが優っていてはいけないのであって、全体の調和と成長が大事なのである。




桜井は咲かずも越中の桜が今日は三分咲き


先の大戦におけるアメリカ海軍で言うならば、ブル・ハルゼーが巨人軍なら、智将スプルーアンスが阪神の役どころかもしれない。


一番マートンから平野はまあいいとして鳥谷・金本・新井・城島・ブラゼル・桜井と続く、一体に年棒合計が何億円になるねんと言わんばかりの打線を押さえたのだから。伊藤君にはいい自信がついたころだろう。まったく若手投手の育成については心憎いばかりの気の使いようである。

今年も圧倒的戦力を誇っているのは相変わらずに巨人軍だけれど、その敵役を自ら務めることなくとっとと中日に譲って、巨人の主力投手ローテーションがタイガースにあたらないようにするあたり、真弓監督もなかなかの策士ではある。


富山ブラックラーメンの総本山、西町大喜本店


情けないほどの敗戦に嫌気がさしたわけではないけれど、今夜はどうしたわけかお精進となった。春菊のおひたしに、えんどう豆の煮びたし。冷奴とたけのこご飯と野沢菜にしそ昆布で清貧の食卓をしつらえてようやく訪れた春をことほいだ。出汁を引くのに混合削り節をつかったから、僧院で言うほどの厳格な精進ではないけれど、主菜副菜ともに植物由来である。


本店のブラックラーメン。流石に濃いです。


まあ昼間にこんな劇物を摂取したんだから、夜は大人しくしないといけないのかもしれないけれど。ただとなりに座った明らかに富山県人は(言葉でわかります)、麺二玉入りの「特大」を発注していた。会話内容に「監督」「足場」「工程」などの専門用語が駆使されていたので、ハードに身体を使う仕事の青年たちだと理解した。しかしこのスープを完飲したのには正直に魂消てしまった。世間には己の想像もつかない味覚の持ち主もいるものである。

明日の朝はあっためなおした筍ご飯に、三つ葉の赤だし。ちょっと天かすを浮かべて粉山椒を散らして。それに温泉玉子かなあ。50の歳を数えるまでになってしまったけど、次の食事は何にしようかと胸躍らせる食い意地がある限り、まだまだ元気に過ごしていけるようなおもいがある。

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