夏の大遠征。原爆ドーム・広島球場・広島難コース・大阪そして京都

広島県の島根寄りに「リージャスクレスト」なる極めつけの難コースがある。そこへドM体質のゴルフ好きが集まって合宿をすることになった。

・黒マークからプレイ
・もちろんノータッチ、完全ホールアウト
・セルフプレイでワンハーフ、つまり1.5ラウンド

これを8月の4日(土)5日(日)の2日連続でやろうと言う壮挙なのである。ただ富山から行こうとするとどうしたって3日(金)の午後を休まねば移動できないので、私は日曜だけの参加にしてもらった。遊びのために会社を休むなんて、窓際サラリーマンの私にとってはなんの問題も普段はない。だが日ごろの行いが悪いから、こういうときに限って外せない用事が発生する。

4日の夕方に広島到着、ホテルに荷を置いて市内散策へ。翌々日が原爆投下の67回忌に当たるため、左右さまざまな関係者、遺族親族が集まっていて、ホテルはどこも満室状態である。広島の知人が2ヶ月前から確保しておいてくれなかったら宿無しになるところ。

ゴルフ参加者は健康ランドみたいなところで文字通り合宿しているけど、イビキかきのわたしは雑魚寝を遠慮したのだ。惻隠の情があるでしょう。

川沿いに何の不思議もなさげに立っている原爆ドーム。私は小学校低学年の折に大阪松坂屋で開催された「原爆展」に連れられていってから、極度の核爆弾拒否症で、高校時分にいたるまで毎年8月の上旬は恐ろしくて眠れない日々が続いた。むごたらしい数々の映像や記録がフラッシュバックして止まらないのだ。一種のノイローゼである。子供にあまりな地獄絵を見せていけない。




しかし社会人となり、初老の域に入ってくると恐怖感は薄れてしまう。過去の悲劇は決して繰り返してはならないが、人間の叡智はそれを成し遂げるであろうことを信じられるようになったからである。私は今でも核爆弾に対してはそれを許す気持ちがカケラもない。しかし、人類がエネルギー問題から解放されるまでに、核エネルギーの平和利用というステップが必要であることを理解する程度の理性は持っているつもりである。

崇高に平和を祈念をしつつ、「そういえばマツダスタジアムで広島-阪神戦があったなあ。評判の新球場に行ってみっか」などと俗事にも気が動く。市内中心部からは市電で15分ほどなので一人で出かけることにした。


ふだん甲子園球場でまっ黄っ黄のスタンドを見慣れているわが身に、95%が赤一色のスタンドはまさに異郷である。アウェイ気分一杯で、うつむきかげんで野球観戦をせざるを得なかった。おまけに先発の安藤がボコボコにやられて試合は惨敗。さらにうなだれて球場をあとにした。

でも球場はとてもよくできていますね。いたるところに工夫が凝らされていて、快適で清潔で。67年前に「向こう100年は人が住めない」と言われた街をここまでにした広島県民を素直に尊敬いたします。


広島在住の友人たちは8月6日前と言うことで皆忙しく、ひとりホテルの近くのお好み焼き屋で名物の「広島風お好み焼き」にて夕食。いつ喰っても旨い。有名店に行かなくっても、そこらの店に飛び込んで普通に喰ってウマい。日常食の凄さである。


全日空クラウンホテルに投宿していたので、寝酒はホテルのバーで。きちんとしたハイボールだったので3杯ばかりお代わりを。ただ翌日が5時起きなので22時半には引き上げた。


ようやく話はゴルフに到達する。リージャスクレストゴルフクラブ。バックティから見ると、いやな具合にバンカーが設置されていて、落としどころの難しさにうなってしまう。白マークとは別世界のゴルフである。気温35度の中、27ホールの戦いが始まった。


プレイするだけで大変で、コースの写真を撮影するゆとりなんかあるはずもなく。フェアウェイのアンジュレーションが効いているから、フェアウェイウッドの打ち方が難しくて、最初のハーフは大苦戦した。スコアだけ述べるなら、59・54・48で、セカンドショットをアイアンに変えてようやく50が切れたって感じ。表彰式では20名中の第6位。

そのまま広島で祝宴といきたいところだが、翌日が大阪で会議だったので、「のぞみ」で大阪へ移動。ホテルに着いたらぐったりして即座に爆睡いたしました。


こんだけの遠征となると荷物もただならず。仕事が絡んでいるからスーツバッグ、カジュアルウェアを入れておくボストン、ゴルフ用のボストンに書類かばん。宅急便制度が発達していなかったら大変なことで、昔の人は大荷物かかえて旅行していましたっけ。


会議の翌日、富山に戻るのに、京都駅でちょいと途中下車。伊勢丹の地下で「薄揚げ」「炒りゴマ」「たくあん新漬の糸切り」を、まさに寸暇を割いて購入。こういうものはやはり京都じゃなくっちゃね~と、もと京都市民としては思うのであります。


ざっと5日ぶりに富山の自宅に帰って、久しぶりに夕食は自炊で。薄揚げはガスでさっと焙って大根おろしとアサツキを和えて。茄子は煮びたしに。乾燥ワカメはかるく戻して水気を切って、ごま油でいためてから削り節を混ぜて醤油をかけまわして。まるで坊さんの食卓だけど、こういうのも大好きなのだ。


8月はものを思い、平和を祈る月。そして暑さの中で自分を鍛える月。北陸の短い夏を精一杯に遊ぶ月でもある。あと幾年、夏を楽しめるかわからないけど。

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