おんなごころと秋風邪と。三浦しをん「政と源」。独居老人問題はパスタで解決?

移ろい易きものを称して「女心と秋の空」とか。そんなものかね。私に取り付いた秋の風邪はうつろうどころか9月の21日に発症して以来ざっと十日間ほども居座ったままである。


公式行事は風邪ごときを斟酌してくれない。3連休明けは長野にいた。取引先のゴルフ会で、前夜祭終了後にホテルの部屋に戻ってNHK-BSをつけてみれば、1977年初来日のKISSが映っていた。ジーンシモンズも今年で64歳だけど、老けないよなあ。メイクのせいだけでなく。

風邪薬と抗ヒスタミン剤で、鼻水を押さえながら名門長野CCでラウンド。熱っぽいし薬の影響でぼうっとして集中力は湧かないし。とにかく周囲にご迷惑だけかけないように一生懸命ラウンドした。成績のほうは全参加者のちょうど真ん中で、テストで言えば「平均点」ってとこか。


身体は重たいわ鼻は詰まっているわ。おまけに喉までヒリヒリとしてくるのに、お天気だけは極上の日々が続く。体調さえよければ会社サボってゴルフに行きたいくらいだけど、おとなしく定時に出社して年度末の数字のチェックに専念した。酒もタバコも美味しくないから棚上げ。


金曜日には少し回復してきて、会社帰りに駅前の「粋宏閣」でレバニラ炒め。生意気にビールもつけたりなんかして。このあたりから徐々に回復基調になってきた。


週末はゴルフにも行かず。夜の気温が14度まで冷えたのでちょいとおでんで温まろうかってことで、かるい外出をした程度で。あとは大人しくしていたつもり。ほとんどひきこもり状態で。


風邪引いてボーっとしているときに難しい本はとても読めませぬ。カッスラー「神の積荷を守れ」はダーク・ピットシリーズの最新刊で、35作目となる。初めて読んだ「タイタニックを引き揚げろ」が発刊されたのは1981年で、その頃の私はまだ大学生。3分の1世紀が経過して、痩身多髪の好青年は、いつしか薄毛出腹のオヤジに変身し、本を読むにも遠近両用メガネが欠かせなくなった。


そうなのだどうやったってトシはとるのだ。三浦しをん「政と源」は73歳独居老人ふたりがつむぎだす男の友情ドラマで、まあ私も20年後にまだこの世に生を戴いているなら、主人公たちとおなじ独居老人となるのは今のところ必定である。違うのは作中の二人はご幼少のみぎりからの「竹馬の友」であることに対して、私にそんな有り難いものが皆無であることか。将来は淋しそうだな。


老残のオトコを描いた本を読むとつとに思うのだが、男だって家事くらいはできたほうがもちろん良いらしい。私にとって不幸中のさいわいは、家事にマメであることぐらいか。冷蔵庫の残り物で上掲のパスタを仕上げるくらいならものの20分もあればポロンのチョンである。

〈ニンニクのみじん切りをオリーブオイルで熱して、そこへトマトを1センチ角ほどに細かくしたものを投入して弱火でジクジク6分ほど。ベーコンの残り物を加えて、塩胡椒。茹で上がったスパゲティをドカンと入れて、適当に切った小松菜を混ぜて、ざっくりと味をなじませたら完成である。仕上げに粒胡椒を挽きこむのはお好みで。私は隠し味に醤油を小さじ半分ばかり加えます〉


週末の過ごし方がよかったのでしょうね。本日月曜日には久しぶりに熱っぽさのない目覚めで、秋風邪女王様もようやくご変心頂けつつある模様。お昼は後輩F君のたっての薦めで呉羽町は「丸忠」にてガツンとカツ丼を。ひさしぶりに「本格派カツ丼」をずっしりと。こいつが風邪退散のトドメの一撃になることを祈念しつつ。

コメント

このブログの人気の投稿

二日酔いに劇的効果(個人の感想です)オロナミンC。一年計画で歯医者へ。麺類は続く。

揺れない富山

牛鮭定食万歳。自宅で吉野家の味を再現。