痩せた?ソクラテスになれと言われても。太った豚でいいじゃん。鴻門の会だって豚肉だし。

1964年つうとざっと半世紀前だな。この年の東京大学卒業式で学長の大河内一男が送別の辞として用意していたのがかの有名な「太った豚であるよりもやせたソクラテスになれ」なのだが。結局卒業式でこの訓示はなされず、流出した草稿がメディアにもれて広まったらしい。



これは豚にとってもソクラテスにとっても迷惑な話であり、とても碩学の徒が訓ずる内容ではない。
哲学的に申し上げるなら

・豚は太っていることに価値があり、痩せた豚など絶対非合一的自己矛盾である。
・ソクラテスは痩せていようが肥満していようが、その学説の価値と何の関係もない。

はずであり、かつまた彼の容貌に関しては「ギョロリとした目、分厚い唇、太った肉体」とも伝えられていて、ますます大河内学長の草稿はおかしなこととなる。

自己の演繹に対して牽強付会かもしれないが、ゆえに太った豚は有益であり人類にとっての福音でもあるわけだ。なにより脂の乗った豚肉は美味しいしからね。ビタミンB群も豊富で夏の疲れを追いやるためにも絶好の食材だし。


ということで炎暑も去ったここ数日というものは、毎食のごとく豚を喰らっていた。まるで「史記・項羽本紀」中の名編「鴻門の会・あえて彘肩(ていけん)を喰らわんや」の心境である。

彘肩とは豚の肩ロース肉をさす。私は劉邦を身命を賭して守らんとした樊噲ほど豪胆ではないけどね、わが勇を奮い起こさんとして富山市掛尾の「司」にて「ミニソースカツ丼とミニおろし蕎麦セット」なるものを一昨日の昼食にいただいた。


昼のミニカツ丼くらいじゃスタミナが回復しなかったと見えて、夜は富山駅前の「吉野家」で「豚焼き定食十勝仕立て」に漬物をつけて580円。いかな魔術を使ったのか、きちんと炭焼きにしたような焦げ跡があってびっくり。しっかりと飯を食う夜は禁酒することとしている。ストイックな夜。


火曜の夜が禁酒禁煙なのはいいとしても、豚焼肉を食らった翌日の昼飯にまたまた豚のせん切りと野菜の炒め物を注文するかなあ。大雨だとついつい隣のホテルへさらにすいている中華へと、無思考的に行ってしまうのは哲学の徒としていかがなもんか。


水曜の夜は大阪からの来客があって駅前の「親爺」で若鶴酒造の銘酒「苗加屋」をズブズブになるまできこしめした。それだけならばまだいいが、桜木町で3段梯子をかけてしまいすっかり酩酊。おうちに帰れば午前様。

木曜の昼飯はこれまた道向かいの「電気ビル」地下にあるたぶん北陸電力社員食堂的な食堂へ。名物のカツカレーが(また豚やんけ)、「お時間かなりかかりますので」のコメントで「日替わり丼」へと変更に。これがまた豚バラをしっかり使った「豚玉子丼」で、「あまちゃん」の再放送など片目でうかがいつつ三日連続のトンでもない昼食となったのであった。


ソクラテスに始まり、項羽本紀へと洋の東西が誇る古典を引きながら結局は豚なのよね~といささか夏太りしたらしいおのが腹部を眺めるのでありました。

コメント

このブログの人気の投稿

二日酔いに劇的効果(個人の感想です)オロナミンC。一年計画で歯医者へ。麺類は続く。

牛鮭定食万歳。自宅で吉野家の味を再現。

揺れない富山