カレーに塩辛・土鍋にカレー・池波正太郎の味覚って? そして究極のカレーはやっぱりアレ

週に一回それも水曜日だけに昼限定で開くカレー屋が大阪にある。本業はステーキハウスでそれも北新地にあるだけに相当に高いらしいが、カレーは950円である。ステーキの切り落としの肉でも入っているんじゃないかの期待で私はいつもビーフカレーだ。


ここのカレーはブイヨンとスパイス(私は5段階の辛さで上から2番目のヤツをたのむ)がきいていてしかもサラサラで、セイロン風と称される。各種薬味を混ぜこぜににしながら喰うのがここの流儀で、甘酢生姜・刻み漬物・レーズンはまだわかる。緑色した唐辛子のピクルス(めっさ辛い)もカレーの付け合わせとしてわからなくもない。謎なのがイカの塩辛で、しかもドサッと混ぜ込んで食べると玄妙そのもののコクになる。ウチで真似をしても生臭いだけなのに。


とにかくウマくてコーフンするのだけど、残念なことに水曜しか開いていないから越中富山からなかなかお伺いする機会がない。先々週に行けたのはほとんど奇跡で、ざっと5年ぶりの訪問であった。次はいつになることやら。


国道41号線沿いは富山市掛尾のあたりに「司」という蕎麦屋があって丼物など充実しているのだけど、ここが最近「味噌煮込みうどん」の専門店をはじめた。名古屋の「山本屋総本店」で修行したのじゃないかと誰何したくなるほどに本場のエピゴーネンになっている。たいしたものだ。

その店がサブメニューに「土鍋煮込みカレーうどん」なる強烈なヤツをはじめた。これがもういつまでたっても熱くて辛くて、さらに一味唐辛子をドサドサ振り込む。最後にご飯を投入して「カレーおじや」に変化させてカレー汁の最後の一滴まで食べ尽くすと心も身体もホカホカとなる。


我が家の近くに「作家池波正太郎が愛したカレー」を出す店があり、店内にはここを褒めた池波正太郎の直筆原稿(をパネルにしたもの)が飾られている。

昭和のおっかさんのカレーをお洒落にした感じで、まずくはないのだけど普通。余りにパンチがない。ウスターソースか醤油でもジョロっとたらしてやればいいのかもしれない。

味覚は主観的なものだとしておく。でも池波正太郎が愛した店とやらに、偶然とか必然とかで何軒か行ったけどそういえばあまり感心しなかったなあ。彼の食べ物エッセイで読むといかにもウマそうなのに。池波先生の味覚力はともかく文章力がとてつもないってことなんでしょうね。作家としては正道だと思う。


私にとって極上のカレーとして「榊原」があるとして、究極のカレーはと聞かれるならば寸を措かずに「インデアンカレー」と答えますね。大阪に行けさえすればいつでも食べられる利便性がまずあるし。一皿のカレーを一気に食い尽くして、冷たい水を飲むときの感動と言ったら。一杯の水が持つ幸福感を最大に増幅するためにここのカレーはあるのかも知れない。


そうそう東京駅の近くにも開店しているので東京大阪そして芦屋へ行く機会のある方はぜひこの麻薬的カレーに折伏されてみてほしい。そんだけの価値があります。

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