「牛肉しぐれ煮」に革命的手法。たった1時間で食卓が豊かに。

濃いめの味付けの常備菜ってやつは飯によし酒によし。私の得意は「小松菜のソフト煮」とこの「牛肉しぐれ煮」で、この2品が冷蔵庫にあるととても安心して食卓に向かうことができる。特にしぐれ煮はとあるきっかけで革命的レシピに触れてから制作回数がグンと上昇した。前回はサワリだけ紹介したから、今回はフルサイズで。


まずお肉。なるたけ質のいい肉屋で安い「切り落とし」を買おう。私は富山市の大和百貨店地下にある「壱丁田」で和牛切り落としの安いヤツを200グラム。切り落としは大小さまざまな肉片が混じっているし、筋もあるので面倒だけど包丁の切っ先で開いて、大きさを均質化する。細かい筋にも包丁目を入れておく。料理は愛情ではない。細かい手間を惜しまない執念だけ。


下地も用意して軽く煮詰めておく。200グラムに対して出し汁(もしくは水)と酒をそれぞれ大さじ4杯、みりんと醤油を大さじ2杯、砂糖(私はザラメを愛用)を大さじ3分の2。ただしこれは私の好みなので各自適当に調整されたく。


生姜も半かけくらいせん切りに。これはちょっと多いんでないのってくらいきざんでおいて大丈夫。


さてここからが革命的手法。ビックリ仰天間違いなし。たっぷりの湯をわかして酒を少々。そこへ牛肉を投入してサッと霜降りにしておく。これが第一の革命。ジョセフ・フーシュでも思いもつくまい。


湯がいた肉は冷水にとってざっと洗う。これが第二の革命。こんなんしたら牛肉の旨みが全部抜けてしまうやんか、と最初は思ったのだけど。むしろ肉のアクといやなにおいだけが洗い流されて、下地を吸収しやすくする魔術的メタルモフォーゼなのだ。ジャコバンクラブも山岳派も言葉を失うこと必至。


少し煮詰まった下地に肉を投入して、煮ること数分。ちょっとええ感じになったら生姜を放り込み全体をかき回す。このあとは少し火を強めて「煮詰める~タレが絡んだ状態にする」のプロセスなのでなべの前を離れずに、中の上下をこまめに入れかえることをおすすめする。


表面の水分があらかた飛んだら、室温までさまして冷蔵庫へ。保存環境にもよるけれど、4~5日は保存可能。飯によし酒によしはもちろんのこととして、うどんに乗っけても素敵だし、出し汁でゆるめなおして玉子でとじれば絶品の他人丼に変身する。


だいたいヨーイドンで1時間もあれば完成するから、たちのいい和牛こま切れが安売りされていたらぜひお試しを。とにかくこれが冷蔵庫にあると思うと心が豊かになること(個人的に)請け合い申し上げます。保証はしないけどね。

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