宇宙が始まる前には何があったのか。多才な原田マハ「本日は、お日柄もよく」。 三浦しをんと中村うさぎがホンネを語れば。ポエムには万歳も共感もできない。

ひさしぶりに知的興奮をおぼえる本だった。

いま私たちが存在している宇宙はいつ始まったのか。ざっと135億年前のビッグバンからであると、量子力学は計算している。でも不思議じゃないですか。じゃあその前には何があったのか。あるいは宇宙の果てというものがあるならその外側に何があるのか。現時点における理論物理学と実観測の最高レベルで推論しています。

ここで神様に登場してもらえれば、それですべてが解決するのでしょうが、それだと神様以前に何があったのかをまた問い詰めなければらならない。神もまた万能ならず。


スピーチライターなる職業がある。エライ人の演説やスピーチの原稿を考える仕事で、オバマ大統領の初当選は、全米でトップのスピーチライターが控えていたことが勝因とされている。

この小説は普通のOLがあるきっかけでその職業の存在を知り、著名な俳人である祖母のはげましや初恋の人であるコピーライターに触発されていっぱしのスピーチライターとして成長していく物語で、痛快でありお笑いであり恋愛でありラストでは涙腺ウルウルものであります。すぐれたエンタテインメントだってことですね。

作者の原田マハはキュレーターであって商社レディでもあって、どこまで多才やねん。作家原田宗典の妹でもあるんだとか。どんなDNAなんでしょう。


美人か、ブスか。美醜という基準は、女子をとても縛るものだよね。女子って「でも、ブスじゃん」の一言で、それまで積み上げてきたものがすべて台無しされる感ってあるから。by中村うさぎ

出家制度がもっと根付いたら楽なのにって、最近よく思うんです。「大変残念ですけど、モテとかそいう文脈からは脱落させていただきます」ってことを、もっと分かりやすく、世間に示す制度があっていいんじゃないかって。by三浦しをん

オトコも大変だけど女子も大変なんだなあ。この本はちょっとニブい男子こそ読むべきなんでしょうね。あまりにロコツでためらう表現もありますが。


ポエムといっても詩にあらず。世間に蔓延しつつある「詩的表現」をまとめてポエムという言葉で代表させて、困ったもんだと嘆いている本である。私は昔から「泣いてる新聞」「わめくテレビ」が大嫌いで、某中央紙の社会面とか原発反対記事なんかヒステリックで読めたもんじゃないと思ってきたからとても共感しながら読んだ。

SNSもひどいですね。自分でこんなブログつけているけど。「詩」まがいの甘えきった無条件で多数の賛同を得ようとしているのは本当にどうなんでしょうね。




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