「東京大雪」ニュースの現実。犬が人を噛んでもニュースにはならないが、ヒトが犬を噛んだらニュースになる。冬の金沢、武家屋敷から東茶屋街へ。

東京が大雪でえらい騒ぎになる数日前、北陸はようやくいつもの冬らしい雪が積もった。といっても30センチほどだから日常生活に何の影響もない。営業車は11月中旬にはスタッドレスタイヤにはきかえさせているから、雪の北陸自動車道だってへっちゃらなのだ。


金沢ではお客様に懇親の席を設けていただき、感謝の限り。武家屋敷の「鏑木庵」は九谷焼の発売元でありつつ割烹も喫茶もある有名店なんだと。私は初めて。中庭に雪がええ感じ。兼六園の木吊りもこんくらい雪がないと、単なる樹木の緊縛ショーだもんな。


お客様と別れて、東茶屋街へ。京都の祇園がバブル以降にすっかり明るくなってしまって、大いに興趣がなくなった。金沢は武家屋敷跡~主計町~東茶屋街と、まだ「暗い路地」がたくさん残っていて素敵ですね。谷崎潤一郎が「陰翳礼讃」で主張したように、日本家屋と日本の街並みには、陰翳が住み着いてなんぼ、ってことで。

来年3月開業の北陸新幹線で、多くの東京ないし関東人が金沢に訪れるのでしょう、きっと。そこで祇園のように観光客に迎合することなく、「一見さんお断り」「足元暗いのは当たり前」を貫くことができるのかなあ。加賀百万石の意地の見せ所ですね。


お座敷バーで飲んで騒いで、ホテルにチェックインしたら「予約がありません」って。調べてみれば日付を間違えているやん。観光シーズンじゃなかったから、片町のアパホテルがすぐ取れたからいいようなものの。こちらは東京でいえば渋谷か新宿かっていう若者の街。ついついショットバーにふらっと寄ってハイボール呑んで。

なにやら小腹がすいたと見えて、ホテル横の「カレーうどん・だいぬき」なる店に突入。酔客向けに「小盛り」があったので注文、「辛いのお好きですか」「なによりも」と答えると、激辛スパイスも渡された。うどんそのものは関西ソフトうどんで私には懐かしい限り。カレー汁が私のイメージにある、大阪北新地「香川」のそれに近かったので感動。今度から金沢で酔ってシメとなったらここにしよう。



たとえ何時に就寝しようが翌日が平日である限り、サラリーマンは出社しなければならぬ。必死の思いで起きだして、のんびり朝飯を喫している時間もないので北鉄バスで金沢駅へ。雪の片町・香林坊の朝にタクシーがつかまるはずがない。数珠球みたいにつながっているバスに飛び乗るのが正解なんであります。


帰りは営業車じゃなくて北陸本線を利用。来年の新幹線開業に合わせて金沢駅も大改造中なのはいいけれど、朝飯代わりに啜りこんでやろうと決めていた「白山そば」が先月末を持って営業終了になっているとは!!

おかげで金沢~富山間は空腹をおさえつつ、窓外の雪景色をひたすら鑑賞するばかり。富山駅に着くなり構内の「立山そば」へ直行し、きつねそばに鱒のすしひと皿までつけて一気に完食。


この数日後に東京で大雪が降ってマスメディアは大騒ぎでした。こっちじゃ冬の間に幾度となく繰り返される風景だけに、なんとまあおおげさな、とおもうばかり。そういえばメディア論に「犬が人を噛んでもニュースにはならないが、ヒトが犬に噛みつけばそれはニュースだ」っていうのがあったっけ。東京じゃそれだけ雪が珍しいんですね。

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