手料理サイトじゃないけれど

山菜というやつは採ってしまった以上きちんと食べてやらなくてはならぬ。日曜に採取した越中の山の幸のうち、クレソンは中華風スープにして堪能した。無念ながらワラビはアク抜きに失敗して食用に価しない妙な物体にメタルモフォーゼした。昨日は到来モノのタケノコがあって残りの山菜に手を付けられなかったから、今夜こそ満願の日である。

まずはスス竹。根曲がり竹ともいう。アタマの部分とハカマの部分をカットして、そのままオーブントースターで焙り焼くか、出汁で煮込むか。




あまりに細すぎて調理の対象にならないものと、虫食いになっているものを放棄すると、収穫量のざっと半分が食用対象となった。煮込む分をまず下ごしらえする。寡黙にコツコツとやる。




きれいに皮をむいてパイレックスの計量カップに入れてみた。ぬるま湯で全体を洗って、大根のおろし汁で軽くし下煮してやる。ある程度のアクを抜くためである。




湯がいてから流水にさらすこと十数分。コシアブラは胡麻和えにした。テンプラが絶品と聞くし、そのつもりでサラダ油やら温度計やら揚げモノの仕度もしたのだが、面倒が先に立った。しかしこれはこれで仄かなほろ苦さが、銘酒立山にいい相性となった。日本酒で楽しむならテンプラより良かったかもしれない。




スス竹の煮上がり。ちょっとキシキシする歯応えがかえって楽しく、出し汁を含んだやさしい味と野性のえぐ味がいい按配に調和していた。しかしこれは収穫者にして調理人のコメントなので身びいきが相当に含まれていることをご承知願いたい。なぜならば。




天然自然のモノは、あまり造作なく食べるに限る。切れ目を入れてオーブントースターで焼いただけのスス竹を、手でむきながら味噌マヨネーズをつけてみた。あまりに変わったとり合わせなので、推薦してくださった大先輩の言葉を疑って、たった4本だけ焼いてみたのだけれど。これこそが今夜の集中の白眉であった。先達の言葉は大事にするものである。

以上3品に、ナメコおろし、赤巻き蒲鉾のバター焼きで夕餉をしたためた。タケノコご飯を爆食した昨夜のような強い満腹感はないものの、身体の中を5月の薫風が駆け抜けたような爽快感が残った。

でも、ヘビー・クッキングは二夜連続が限度かな。

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