メメント・モリ 死を銘記せよ。

死んだ人の本とか、死んだ人に関するを本なぜか手に取ってしまうきょうこのごろなのだ。生命力が希薄になって、彼岸の淵から呼ばれているのだろうか。うーん、そりゃないわなあ。桜木町での元気ぶりを知る人からは、嘘こけ、と言われるだけでしょうね。そうか、ここんとこ通夜だ葬式だと続いたからなんだ、きっと。




3年前に亡くなった戦場カメラマン鴨志田穣の遺作集。アル中で精神病院に入退院をくりかえし、最後はガンでその生命を閉じた。毎日新聞連載中の「毎日かあさん」第4集にそのあたりが描写されていて、これが読むと泣けること。家族の側から描いたアル中。それって、性格のだらしなさじゃなくって、立派な病気なのね。それも相当にたちの悪い。




かあさんというか、母と言えば齊藤輝子。小説家北杜夫・精神科医齊藤茂太の母にして、歌人齊藤茂吉の妻であった、猛女にして淑女。北杜夫の「母の影」は、いい味の私小説になっているけれど、その娘齊藤由香が祖母を描いたのがこちら。ま、夫の遺産印税使い放題に世界108ヵ国を旅したモーレツ婆さんとして有名だけど。実態はたーいへんな人生なんだわ。



サントリー勤務で自称「窓際OL」といいながら、週刊新潮に連載エッセイを持つ齊藤由香は、北杜夫のノホホンとした育ちの良さを文章に引き継いでいる。作家の厳しさはないけれど、その品のよさが好きで、たまに買っとります。人間、才能もともかく品があるって大事なことで、それだけでも世の中を渡って行けるもんね。

どちらの本を読んでも、死ぬことほど簡単で難しいことはないって思う。間もなく人生51年。イチローの背番号ほど生きてきて、そろそろ上手な店じまいも考えないと。

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