くまちゃん。ラーメン。愛国。沖縄。

移動が続くと本を読む量が増える。飛行機や長距離列車の中って他にすることないもんね。パソコン開いて仕事している人もいるけど、大事な資料をとなりから覗かれたらどないするねん、の気持ちから僕はやらないことにしています。iPhoneでメールくらいなら送受信しますけど。


すっかりお気に入りの角田光代。むかし村松梢風が「女と食い物が書けなきゃ一人前の小説家じゃない」と言っていたけど、「男と食い物」がきちんと書ける(描ける)角田光代は凄いよね。あと、絲山秋子に井上荒野かなあ。女流作家なんて言い方じたいどうかと思うけど、いまは女性の小説家のほうがチカラがあるような。男は稼げるミステリーに走りすぎかも。


あまり普段は読まない新書版を2冊。「ラーメンと愛国」は中国から移入されたラーメンが、安藤百福の手によって「工業化・量産化」されて「国民食」となったこと。さらに一方では食のマスプロ化・大資本による寡占化(すかいらーく・マクドナルド・KFCなど)に対して、ラーメンの世界ではインスタントラーメンによる工業化へのアンチテーゼで「職人芸」が再評価されはじめた。1990年以降、「ラーメン道」にいそしむ職人たちがメディアで取り上げられ、スターに、更にカリスマ化して行った過程などが取り上げられている。ラーメンを通じた戦後日本の産業史かな。かつて片棒をかついでいた世界なので、懐かしいおもいをしながら読みました。しかしラーメンの世界がいまや愛国ナショナリズムの方向にに突き進んでいるとはねえ。

デミングによるマスプロ生産の導入から、バブル崩壊を経て「失われた20年」があり、ようやく曙光がきざしたところへ大震災と福島原発事故。台頭するナショナリズム。どうなるのだ日本。


こちらは那覇空港で購入して、帰路のJALとJRサンダーバードで読んだもの。かつての長寿王国沖縄が、いまや肥満率№1であり60歳以下の成人病率も全国トップであること。その原因は「アメリカ世(ゆ~)」になって以来の食生活変化にあること。でも、もともと大酒のみの土地柄に「飲み会の最後、シメにステーキとご飯を食べるから、太った」というのには思わず納得。前夜にバーのハシゴの最後に寄った沖縄そば屋で店主から「ナイチャー(沖縄人)はそばじゃなくてステーキよ。肉食べてメシ食ったら二日酔いせんもの」と言われていたからね。

健康のこともさることながら、薬物中毒のような補助金漬けの県経済、基地と県民のリアルな関係などいままでの沖縄本とは違う視点でリアルに描かれていて「一読置くにあたわざる」名著だと思います。一気に読んじゃったもんな。沖縄も病んでいるんだ。



隣の国では独裁者の死亡が伝えられて。正恩が馬鹿じゃなければ、自分を待っているのはチャウシェスクやカダフィと同じ悲惨な最期とだとわかるだろう。一族の財産と引き換えに中国に逃亡するのか、えいままよと南進するのか。しばらくはコンディショングリーンの非常時となりました。何が起きるか本当にわかりませんよ。


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