煮干しでタワーをつくる。伊吹いりこの実力は蕎麦に五島うどんに。さらにラーメンに昇華する。

後輩の実家、海産物問屋から煮干し(いりこ)が届いた。
「最近、煮干しで出汁を取るのに凝ってるねん。今までずっと鰹と昆布だったけど、新発
 見で、思った以上に透明感のある出汁が取れるねんなあ」
「煮干し出汁、いいでしょう。なんなら実家からお送りしますけど。うちの煮干し、とて
 も澄んだ出汁が引けるんですよ。ぜひお試しに」
そんな会話から数日後、マジやばい量の煮干しが届いた。これが「お試し」ですか?
ありがたいことに、配達中に凶暴かつ貪欲な、天満界隈の混成猫旅団からも襲撃されずに無事に到着した。箱には「伊吹漁協」とありました。


早速に味噌汁を仕立ててみたのだけれど、色・味ともに透明感が半端じゃない。なのにしっかりと旨味の骨格が立ち上がっている。
しかし、これだけの量を一体どないするねん。米びつや鰹節保存、昆布の保存にと使っている、プラスチックのコンテナが3つ空いていたからいいようなものの。


味噌汁や、野菜の煮浸しに使っても出自のたしかさをはっきりと指し示してくれる実力を持った煮干しではあるけれど、麺類に仕立ててみた時に、その骨太な(イワシが原料だから当然だけど)味の濃厚さが引き立った。


冷たい出汁にして、九州は長崎県五島列島特産の「五島うどん」を冷水で引き締めたものに合わせてみた。力強い旨味が、腰の張った五島うどんとぶつかり合って、陶然とな理ましたね。


こいつはいけるかもしれないと試してみて、新しい天体の発見ほ度に驚いたのがラーメンだった。煮干し出汁に、(さすがに鶏ガラから煮出す気力はないから)粉末のコンソメを少し足して、おろし生姜に日本酒・薄口醤油で味を整えて、シメに胡麻油を少々。何が理由でそうなるのか、きちんと「中華」な味になるのですね。
淡味でありながら、しっかりとしたうま味の深さがあり、これを磨き上げたら商売になるんちゃうかと思える出来栄えでした。
伊吹漁協の実力や、恐るべしですね。


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