フルーツランド越中

富山県は、人生今まで過ごした土地のうちで、最大最強のくだもの王国であります。といってもせいぜい大阪・神戸・北摂・京都・埼玉くらいが比較対象なんだけど。あと参考値として、島根かな。

スイカの糖度は、おおむね11度から13度まで。それ以上に糖度が上がると中心部がスカスカになりやすい(スイカ農家談)。しかし、呉羽丘陵南面でつくられる「朝日スイカ」は別格で、14度以下では出荷しない。糖度が15度あってさえ、果肉はジューシィで、なるほど水菓子とはこういうもんだと納得するうまさである。




ただ栽培に手間が駆るためか、生産量がわずかなので県内のスーパーなどで店頭に並ぶ姿はあまり見かけられない。多くは東京へ、カネのあるところへ送られる。ケンミンは農家の軒先で直接購入するしかない。値段も結構なレベルだし。しかし夏場には、いちどは存分に味わいたいほどのものでありますね。






夏の厳しさが一段落するころ、呉羽梨の出荷がピークを迎える。種類としては幸水梨で、溢れんばかりの水気と品の良い甘さが売り物。呉羽丘陵一帯がじつは梨畑なので、量的にはふんだんに収穫される。街道沿いには直売店がずらりと並んでいる。今頃はどこのスーパーに行っても「呉羽梨コーナー」が設置されているほど。さらに、ツウのケンミンは選果場へおもむいて、農協から直接に購入する。店頭よりは随分安い。

この猛烈な夏の影響を受けて、例年より小粒ではあるらしいが、甘みが凝縮されている感じで悪い印象はない。私は、近所の大阪屋スーパーで、3玉500円ほどで売っている特売品を買ってきて毎日のようにしゃりしゃり食べている。





砺波にある「宮崎葡萄園」の逸品であります。いい値段だけれど、減農薬で丹念に育て上げられているだけあって、まっすぐな味がする。なにしろブドウはイチゴとならんで私の大好物であり、季節になると、冷蔵庫に常備していないと不安になるほどなのだ。残念ながら、いつも一房1200円のピオーネを冷やしておけるような身分じゃないので、常用してるのは、スーパーで買う県内産の「ベリーA」である。ピオーネとか巨峰のような、お菓子めいた甘さはないけれど、葡萄らしい味わいで、これも好物だから何の問題もない。

ありがたいことに、県内では11月まで葡萄が生産される。寒冷地タイプの「スチューベン」が、相当冷え込んでくるまで流通しているのだ。これも小粒だけど味が濃くていいんだなあ。昔、青森で食べて感動した記憶あり。




冬を前にすると、魚津のリンゴが色づいてくる。青森や長野など大生産地にはない、樹上で完熟まで実らせた、実にふくよかな味がするらしい。らしい、というのは昨年10月に当地へ参って以来まだその味を試すに至ってないからだ。県内でほとんど流通しない幻のリンゴなので、その時季が到来すれば、魚津まで出掛けてリンゴ農家から直接に購入する所存である。こういう決意は禁煙や節酒と違って「ぶれ」がありませんねえ。


そういうわけで、実はなかなかに果物に恵まれた富山県なんだけど、なんつうか、PR下手で、あまり他県民にその実力が認識されてないんだなあ。コメなんかも、八町米や「てんたかく」なんかは全国レベルでの銘柄米として不足はないと思うのに。



つまるところ、県庁のお役人が「ブランド戦略」とは何か、ちゅうことをちっとも分かっとらん、ってことやね。ブランドとして育成して、告知して、守っていくことにどんだけカネと時間がかかるか皆目わかってないのが残念である。多額の住民税を払う立場としては。

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