越中ビジネス散歩

期末が近付くと私のようなデクノボーでも何かとせわしない。昨日は打ち合わせで小松空港へ。さすがに北陸の空の玄関で、富山空港に着陸不可能な747F(ジャンボの貨物専用機)が駐機していた。

また、併設する小松基地の航空祭が三日後に迫っていることで、その道のマニアが空港周辺の撮影ポイントを点検?している。空港内にもバズーカ砲みたいな望遠レンズをかついでいる同好の士を多数見かけた。空ではブルーインパルスが当日に備えて演習している。仕事じゃなかったら、なにをおいてでも見物に行くんだけどなあ。




秋空にそびえ立つ、今朝の富山市役所。誰がどう見たって役所には見えんわな。民放のスタジオ付きオフィスと電波塔って感じだもの。三角屋根が立山連峰の剣岳で、幾何学的デザインが連峰の各山頂をあらわすといっても、ねえ。注ぎこまれた血税の金額や如何に。




まあ目抜き通りに電柱がない美意識だけは立派だと思うし、道路沿いの美術品、とりわけ名産のガラス工芸は大したもんだと思う。大阪にいる自称ガラスゲージツ家に見せてやりたいもんである。どうですか、巨匠。眼の修業を兼ねて越中詣りなど。飛ばし屋の師匠に合わせたチャンピオンコースのゴルフ場もありますし、富山湾の魚はこれからが本番ですし。




越中と言えば置き薬。独特のセンスがあるデザインで、キッチュさがおもしろい。そんなこんなで、印刷とデザインは都市規模の割に盛んなんですね。本日から「富山デザインフェア」が開催される。ポスターの主役は名物の赤巻き蒲鉾。



富山城は観光用の戦後築城で、天守閣ではなくかつての城門櫓の跡地に昭和29年に落成した。この一見お城のような建築物は内部が歴史博物館となっている。私はまだ行ったことがない。かつて京都市内に10年近く住まいながら、金閣寺にも行ったことがないような男だから、たぶん歴訪しないままこの地の滞在を終えるのだろう。




富山県民は自宅の玄関を施錠しない。ことが多いらしい。すくなくとも市街地をちょっとでも離れればそこは延々と続く田んぼであって、ご近所さん以外の人間がうろついていると目立つからなのである。どこかの国なみの防衛意識。

他県から来た嫁が「不用心だから」と玄関のカギを締めたところ、「そんなことをしたら、よそのひとがウチに上がれんがいぜ」と姑に叱られる土地柄なのだからして。それをいいことに、昨今の情勢から特に名を秘す国からこられた窃盗団のかたがたが、いっとき相当にご活躍なさったらしい。

というわけで、他府県では昭和30年代ごろに絶滅したとおぼしきテーマの啓蒙で、かようなノボリが各所に林立して景観に華を添えている。



ハコモノ大好きなかつての県知事が建立した「市民プラザ」。直線と曲線を複雑に組み合わせた建築のため、広いパブリックスペースを設定しづらく、開催するイベントでもセレモニーの設営が大変であるようだ。剣岳を模した意味不明の三角ドームもしっかり鎮座ましましている。きっと東京の自称空間デザイナーとかプロデューサーとかに騙されたのだろう。




仕事場から仕事場へと、徒歩で市内をへ巡りて、さすがに疲れたので帰途は市内環状線「セントラム」に乗車することにした。これは、静かな乗りごこちといい、車両のデザイン(外観もインテリアも)の秀逸さといい、誇っていい電車だと思う。

ただ残念なことに、タバコを買いに行くにもクルマで出掛ける県民性のため、列車の装飾には欠かせない「乗客」という要素に、しばしば欠落が見られがちなんですけどね。




かのごとく、ぐだぐだ偏見を書き連ねて気がつくと越中在住が本日でちょうど一年となる。365日が経過してすこしはケンミンらしくなったのであろうか。誰も祝ってくれる気配がないから、これより桜木町へ進撃し、お姉さま方にセレブレイトしてもらうつもりである。

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