大阪短観

仕事ついでに時間を作って大阪市内を逍遥した。他府県に棲み移って一年も経つと、見飽きていたはずのものも新鮮にうつる。今年は阪神の優勝がなかったせいか、グリコマンもトラッピー(阪神ご指定の黄色いハッピ)をまとっていない。




一緒に出張した何樫君がどうしても食べたいと主張してやまないので、インデアンカレーに案内した。仕事場の難波からクリスタ長堀までって、人込み(ユニクロビルのオープンのせいか)を縫って心斎橋筋を歩いた。富山市最大の祭り山王祭の10倍は人が出ている。この人出の1%でいいから、閑古鳥鳴く中央通商店街に持って帰りたいと思った。




もう何度も登場している、インデアンカレーである。この日は前日に騒ぎすぎてバテ気味だったので、卵黄をニケ落としルゥを多めにかけた「ルゥ大掛け目玉」を注文。この甘いような辛いような妙な習慣性をもつカレーを、この50年の人生で幾千杯食べたことだろうか。何樫君もすっかりハマってしまったようだ。中毒患者一名増加。




夕方の用事まで時間があったので、古戦場である天満市場へ。かつての露地露店から、いまはビルの地階一階に移ったけれど、相変わらずに平台に商品を並べて個店ごとに営業をしている。食のオートクチュールである。

例えばこのマツタケ、中国産ながら軸の直径5センチ、全長25センチになんなんとする尤物。いささかのコンプレックスをもって眺めざるを得ないかと。さらに、小型のモノは、5本入って1980円などの破格で売られる。このまま買って帰ってマツタケご飯を炊き上げたい衝動に駆られてしまう。




私の用事はこの店。「節類」の専門店で、カツオ節・サバ節・ウルメ節・メジカ節が等級別に整然と陳列されている。上サバ節500グラムと花カツオ300グラムを購入。一週間に一度、2リットルづつ作っている出汁およそ3ヶ月分。

「兄ちゃん何に使うねん」「ほとんど味噌汁のだしや」「ほなもっと安いのでええがな」「まあ、ちょっとした贅沢やねん、ひとりもんやし」売り手と買い手にざっかけない会話が介在する。



豊饒と安価におどろきあやしみつつ市場を後にする。八百屋が八百屋として、魚屋が魚屋として、さらに乾物屋・昆布専門店・漬物専門店がそれぞれなりに商売をする姿は、富山はもちろん、地方でこそ見かけられない風景である。店はほとんど郊外型のSCになってしまった。人間疎外やなあ。

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