「看板猫」だけのつもりが。

なんでこないにぎょうさん本を買うのか。自分でもわからんがです。いつ読んでるんですかと聞かれれば、睡眠時間を削ってサ、なんてええかっこしますけど。まあ買った半分近くは最初のあたりだけ手を付けられて、あとはそのまま書棚行きになりますね。ああもったいない。なのに本日も衝動買いが4冊も。



「いや、な。神サン、なんでこないに庶民に辛う(つろう)あたりはるねンやろ、思てたけど、よう考えてふッとわかった。神サン、エエうちのぼんぼんやってん。ほんで、庶民の苦労わからへんねん」なんて一節に本屋の店先で触れてしまったら、もうこっちの負け。




中学生の頃から好きなんです。田辺聖子を読みながら、ませてゆがんだ少年は、青年を飛び越して中年になれたらええのになあと憧憬していました。四十すぎたら、おでん屋にひとりぬーっと入って「一本つけて」なんて。そんなことに憧れていたから、そんなことが日常になってしまう人生を送るようになったのかしら。

そのころ、将来就職したい会社の筆頭格だったのが「暮しの手帖社」でした。花森安治の思想信条を尊敬したのではありませぬ。母の書棚から引き抜いては母以上に愛読したその理由は、何ともバタ臭くてオシャレな装丁、段組み、そして小さなカットの小粋なこと。このカットは平成元年刊「暮しの手帖・別冊 ご馳走の手帖」から。




母の書棚から拝借したまんまになっている、暮しの手帖社発行の本もあります。石井好子「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる」もう返さんでもええやんなあ、母上どの。オトコ18歳、独り暮らしで自炊をはじめた頃、「壇流クッキング」とならんで台所の聖書やったねえ。




手元にあるのは、昭和38年12月20日の第13刷で初版が同年同月の15日だから、いかに爆発的に売れたのかよくわかりますね。たった五日で。ちなみオムレツ一つ焼くのに「バタを1/8ポンド」とございますからざっと90グラムですか。そらおいしいでしょうけど、バタのカロリーだけで500kcalはございますよ。なるほど著者の体型が立派なわけやね。

石井好子が昨年なくなって、彼女が残した料理エッセーのうち未刊のものを集めて「バタをひとさじ、卵を3コ」が出版されましてね。発行日が3月30日だから出来立てのほやほや。上掲の本から48年。先月51歳をむかえた私といたしましては、人生万感胸に迫るものがございまして、見るなり買っちゃいました。




震災から21日たって、崩壊した家の屋根に乗ったまま漂流していた犬が救助されましたね。生きていたタロとジロじゃないけど、ワンコはサバイバルですね。猫はそのへんあかんやろね。でも、私は猫が好き。今朝の毎日新聞の書評で見て、とにかく欲しくなって紀伊国屋書店に出かけたのでした。これが本日の衝動買いの発端。




昭和レトロな店の「看板猫」を集めた写真集なの。やっぱり猫は日本家庭猫に限るわよねえと、開いた本におもわずつぶやいたりして。

「ビッグコミック」にJ・P・ホーガンの「星を継ぐもの」が連載されだしました。コミックにするにはちょっとどうかなと思うほどの大作なんで、やはり省略や筋の組み替えが目立つんやね。しゃあないけど。でも原作はどないやったかな、と30年ぶりに再読したんですね。もちろん手元からは散逸してたんであらためて買い直して。読んだらやっぱり良くってね。続巻が欲しいとは思ってましたけど。明後日からの東京出張のお供にしようと購入。




このシリーズは「星を継ぐ者」「ガニメデの優しい巨人」「巨人たちの星」「内なる宇宙 上・下」と5冊も続くんです。SF史上に残る名作です。全部持ってたのになあ。衝動買いと散逸と。読んだ本の買い直しと。なんとも無駄の多い人生ではございますねえ。って、本だけやないやろ、と友人同僚から指摘されそうやね。

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