単なる居眠りか、ナルコレプシーか。

春眠暁を覚えず。春はどうしたって眠い季節です。なんでやろね。諸事芽を吹く活動期なのに、一日中なんか眠たい。デスクワークの最中に思わず居眠りしてしまうこともしばしばです。




いねむりしたのねいつか
小川のせせらぎきいて
レンゲの花をまくらに
いま目がさめた
恋しい気持ちが夢で
逢わせてくれたあのひと
君は元気かと聞いた
手を振りながら
いま涙をかくして 風の中
ひとり行けばはるかな
私の好きな草原

アグネス・チャン「草原の輝き」1973年 作詞 安井かずみ 




居眠りと言ったら猫の得意わざ。寝子と書いてネコと読むくらい、一日のほとんどを眠って過ごすお気楽な生き物だもん。しかし無心に眠る猫のすがたほど心安らぐものはありませんね。かつて猫を飼っていたころの幸せを思い出します。今のアパートはペット厳禁だからしゃあないけど。




居眠りでややこしいのが「ナルコレプシー」と呼ばれる症候群。その主症状は日中に何度も繰り返す居眠りが、ほとんど毎日何年間も継続するってことです。健常者なら緊張して眠れないような場面でも、突然眠気に襲われて数分ほど眠りこんでしまうのです。それは「眠る」というよりまさに「落ちる」ような感じだそうで。わかるような、わからないような。

 ・スポーツの試合中
 ・大事な試験
 ・重要な顧客との商談中
 ・自動車の運転中

ナルコレプシーの居眠り回数は一日に1~4回程度で、前日に十分な睡眠をとっていても関係ないそうです。このへんが普通の不眠症とか睡眠不足と違うところ。朝は普通に目覚めて、寝過ごす・寝ぼけることもない。また、居眠りの途中に他人が呼び起こしたり身体を揺り動かすと、簡単に途中覚醒しやすいのも特徴だとか。




ナルコレプシーは立派な病気です。時を選ばす発症することから、「怠惰」「弛緩」のせいであると、世間から大きな誤解を受けがちな病気でもあります。患者としては作家の色川武大が有名で、様々なエッセイにてその困った症状を記していました。彼ほどに重篤な患者は少ないけれど、軽症であれば600人に1人くらいの出現率であるそうな。いまでは治療法もあり、有効な薬もあるけど、病気としての自覚を持たずに生活が(ある程度)出来てしまうところが実は大問題なんですね。




昨日栃木で起こった痛ましい交通事故では、運転手が居眠りしていたのが原因とも言われています。なんとなくナルコレプシーによる突発性の睡眠症状なんかなあって思ってしまいます。これは緊張感とは関係のない「発作」みたいなもんですから。メディアの方々も単に断罪するだけでなく、多角的に取材してほしいところです。

私も不眠症なのでお医者様のご指導のもと、時には睡眠導入剤を服用し、狂いがちな睡眠リズムを矯正しております。気楽な稼業な上にクルマの運転もしないこともあって、多少の居眠りで人命に関わることはありません。しかし、人の命に関わるお仕事の方で、日中の眠気に不安のある向きには、専門医に診てもらうことをお勧めいたします。

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