5日ぶりに帰富せり

連休と出張を絡めて、五日間も関西に行ってしまった。出発前から川上未映子の「そら頭はでかいです世界がすこんとはいります」なんか読んでいてこっちのアタマが完全に関西弁思考回路になっていたから、ええわええわそらええわとばかり毎日酒を呑んですごしていた。

やはり粉もんは大阪で、豚ぺい焼き・豚玉と間然とするところがない。焼き上がりがふうわりとしていて、ヘラの端のっけて熱々のところを口に運ぶと、ソース・紅生姜・それに澱粉がアルファ化して焦げたときに発生するメイラード臭がカツオと青海苔の芳香とともに鼻腔と口腔の二つ穴を同時に刺激する。旨い熱いでも旨いの連鎖をホップの効いた生ビールで鎮めてやる。至福である。

ここ10年ばかり生活していた天満界隈にもっぱら出没したかったのだけど、さまざまな個人事情もあって商店街の散策はあまりできなかった。しかしさすがに人口密度はすさまじくて、ひとの肩をよけながら歩かないといけない。46インチのドライバーを振り回しながら歩いても、おそらく誰の肩にもヒットしないであろう富山市内の某商店街とは、ビリケンさんのおつむと多聞天の怒髪くらいに密度が異なるのである。

あの商店街には、24時間営業で徹底した安売りをモットーとする「スーパー玉出」も出店しておりちょいと富山では入手できない大阪B級食品が棚を埋めている。まあそこで「ヒガシマルめんスープ(これは本当に便利。販路拡大をのぞむ)」などを購入したわけですね。

また、界隈は卸売り市場があるせいか異様に猫が出没するエリアで、猫好きの私としてはいつも道の隅・陰・軒下などに視線を走らせて、あの柔らかな小動物がヒトと共生できていることを歓びとしていた。

冬の厳しさゆえか、富山に来て街猫を見かけないことは街の責任ではないけれど寂しいかぎりであって、仕方がないから猫濃度が高いうサイトなどを拝見しては猫願望を満たしているのである。
http://syggnya.blog26.fc2.com/blog-entry-35.html
しかし石垣島は本当に猫天国のようで、冬季賞与もままならぬ現状では遠出も厳しき状況なればこそ、まことに心から景気の回復を願うところである。

人間後ろばかり振り返っていてはしかたがないし、猫はいないが富山には大いなる自然がある。昨日、大先輩が経営する居酒屋「ちゃらんぽらん」におじゃまして、この時期になぜか芽吹いたフキノトウを使った蕗味噌で銘酒立山をいただいたわけで。

まあ酒の進むことといったら。それから山菜談義になって、タラの芽群棲地・クレソン密生林・ワラビ多発地帯・キノコ撮影秘話などで盛り上がり、天然のナメコに自家栽培の辛味大根でナメコおろしや、隣県長野で捕獲された鹿肉のマリネで飛騨立山の自然を満喫してしまった。

いい猥雑さはないけれど、清冽な自然がある。これから厳しい冬だけど、春になったら大地の恵みを摘みに行こうと思う。


でもその前に自動車免許をとらなあかんかなあ、やっぱり。

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