勤勉と忍耐
雪国に雪の降り積む。何の不思議もないけれど。表日本はたいした上天気だという。朝のニュースショーで東京のスタジオから送られてくる映像を一瞥すれば、なるほどそっちには雲ひとつないワイと知る。てめえら、誰のおかげでお日様を享受できてるか知っとるんかい。
先月のお写真。いまは雪雲の中。
それはもう、北・中央・南とつらなる日本アルプスの峰々のおかげなんであります。大陸から流れてくる、湿気たっぷりの低気圧を受け止めて、水分だけを裏日本に「雪」とか「氷雨」のかたちで振り落とすんだもん。裏側に落とすほどに表側はカラカラになるって寸法で。
今朝なんか7時半でこんな暗さだもんなあ。自宅裏から、いちばん近いコンビニへと向かう道なのだけど。羽毛のごとき新雪ゆえに歩きやすいことはまあええねんけど。昼間にいったん降りやんで、また夜からしんしんと積もるらしい。こんな天気が2月1日まで続くんだってさ。
こうなると、クルマを出すのも一苦労となりまっし。ウチの社員なぞこんな天気になった日にゃ朝5時に起きて、発掘作業に除雪作業。普段は20分ほどで快走できる道を、1時間半もかけて渋滞を抜けて出社されます。ご苦労千万や。公共交通機関のない地方都市の悲しさで、郊外の住宅地に住むと本当にクルマしか出社手段がなくなってしまうのよ。
かつて田中角栄は、「中央アルプスをダイナマイトで吹き飛ばし、新潟の雪を東京に持って行ってしまおう。吹き飛ばした土で新潟沖を埋め立てれば、田んぼは倍になる。所得も倍になる。おまけに東京まで新幹線をひいて、1時間半で上野に出られる」と、言ったとか。言わなかったとか。
おそろしいことに、関西出身者である私がたじろぐほどの積雪の中、経済活動は普通に進行するんですね。勤勉と忍耐。雪国で暮らすには、勤勉と忍耐。知人が聞いたら失笑するほど、私には似合わない言葉だけど。
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