福島原発にヘリ消火 陸自CH47投入

ようやく迅速消火の切り札、ヘリ消火にふみきりました。世界の常識に追いついたってことで、円高攻勢もヘリ投入で小休止。

中で何が起こっているかはわからへんけど、エライことになっているおります。福島原発。円高も株安も、こいつの不具合がかなりの構成要素であると見受けられます。東電のインタビューが、いつぞやの有名料亭御曹司記者会見を思わせてくれるのはええけど、ひとの健康がかかっとるのよ。あれじゃ「じつは私たち、皆さんの知らないことで大変なことを知ってるんです。でも言うと怒られるからわざとすっとぼけてるんです」って誤解されますね。たぶん。




はい。ようやく登場いたしました千両役者。陸上自衛隊のCH47チヌークです。ボーイングバートル社お得意のタンデムローターで、兵士なら35人を貨物なら11トンを運べます。全長30m(胴体は15m)で、エンジンは3700馬力が2基ついてます。先日紹介したミル26のざっと2分の1かな。




ヘリ消火ってのは、ヘリコプターからバケツをぶら下げて火災現場に飛び、水ないし消火剤をぶちまけて火を消すことなんですね。近くに水深4メートル以上の海・湖沼・川があれば、そこにバケツをジャブンとつけて再補給できます。水資源豊富なわが国にはわりとむいた消防方法かと。




米国ヘリコプター学会員の義若先生によりますと、このCH47が3機編隊で出動していた場合、阪神大震災の火災被害は100分の1ですんだといいます。なにしろ海が近いから頻繁に往復できるし。1機1回で7.5tを放水できるので、1時間あれば160t。しかも空からの放水だから、消防車の入れない状況でも簡単に対応できるわけで。

http://www.helijapan.org/general/yoshiwaka0408.pdf ぜひご一読ください。

もちろん、阪神大震災の時もヘリによる迅速消火を望む声が多かったのだけど、当時の自治大臣をはじめ、消防関係者や学者先生はこんなことを言ってたそうです。

・火災現場上空は上昇気流があって危険。
・周囲を酸欠状態にして被災者を窒息させる恐れがある。
・ヘリのローター風が火災を煽る。
・屋根の上に落ちた水は流れてしまって効果がない。
・高いところから水を撒いても霧状になる
・これまでに経験がない
・補償問題が起きる可能性がある

って、要するに下ふたつが理由やん。前例がなくて、自分に責任がかかるかもしれないから嫌だったんだ。市民の人命財産よりもエリートとしての自分が可愛かったのね。




さすがにあの震災以降、ヘリ消火の意義が認められたのか、森林火災を中心に導入が始まっているみたい。でも、大規模災害では最も効果的な初期投入がなされてない気がしますね。日本人の航空オンチというか、テクノロジー拒否症(ネットなんかもそうですね)というか。




先日紹介したミル26は、その大型搭載量を生かしてチェルノブイリの閉炉に貢献いたしました。ひとまわり小型のミル8とともに、ホウ酸剤・砂などを散布して、炉心の活動を止めたと言われています。高濃度放射線にさらされながらの作業だったため、使用された機体はいまだにチェルノブイリ原発周辺に放置されたままになってるんだって。




チヌークとは北米インディアンの部族名なの。米陸軍のヘリに多い命名法で、他にアパッチ・シャイアン・コマンチ・イロコイとか。ベトナム戦争以来数多くのいくさを経てきて、丈夫で長持ちは実証済み。災害救難でも世界中で活躍しております。写真の前方ローターがちょいと垂れ下がっているのが、トイプードルみたいでかわいいでしょう。

でも、この垂れ下がりのおかげで、ローターの先端は地上高が大人の胸から首くらいになってます。もしも貴方が不慮の災害でチヌークに救助された時は、絶対に前方から近づいてはいけませんよ。

コメント

  1. この機体2007年3月30日に徳之島の山中で墜落して自衛隊員4人が死亡してます。ベトナム戦争時に開発された旧式で危ない輸送へりです。

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  2. それから、当時の安倍総理は葬儀に参列しています。菅総理はそんな些細な事は全く覚えてないんでしょうね!

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